ロゴ制作・ロゴデザインを依頼するならsynchlogo(シンクロゴ)
COLUMN
「ブランド」や「ブランディング」という言葉は、今ではかなり身近になりました。
これらのシンボルとして扱われる「ロゴ」や「ロゴデザイン」も同じです。クラウドソーシングやスキルマーケット、最近では生成AIの普及によって、以前よりずっと手が届きやすいものになっています。
その一方で、「ブランドとは何か」「ブランディングは何をすればいいのか」「ロゴはブランドづくりにどこまで関係するのか」などをネットやAIで調べても、出てくるのは難しい話ばかり。内容は論理的で正しくても、「よく分からない」「実践的ではない」というのが正直なところではないかと思います。
そこでこのコラムでは、“予算で妥協させないブランディング”を掲げるロゴ制作サービス「synchlogo(シンクロゴ)」の代表である私、西村が、専門であるロゴデザインを起点に、予算がない人でも現実的に考えることができる「最小限ブランディング」について、実務目線で綴っていきたいと思います。
「ブランド」と言うと、LOUIS VUITTONやGUCCIのような高級ファッションブランドを思い浮かべる方が多いと思います。ですが今では、ブランドという言葉はもっと広い意味で使われていて、企業、店舗、商品、サービス、個人の活動まで、さまざまな場面において「ブランド」の考え方が使われています。
では「ブランドとは何か」を、できるだけ簡単に説明しましょう。
それは、「同じジャンルの中で、自分たちが“どう違う存在として認識されるか”」ということです。
単に名前を知られればいい、ということではありません。「安価なサービスなのか」「信頼できる会社なのか」「親しみやすいお店なのか」「高級感がある商品なのか」「専門性の取り組みなのか」といった印象も含めて、相手の頭の中に残った「像」こそが、ブランドの正体なのです。
ここで勘違いしやすいのは、ブランドとは「他より優れていること」だけを指すわけではない、という点です。
たとえば、価格が安いという強みを「お得 or 安すぎて不安」のどちらで受け取るか、高級感ある雰囲気を「上質 or 敷居が高そう」のどちらに感じるかは、いずれも人次第です。
つまり、ブランドは絶対的な優劣で決まるものではないということです。
大事なのは、「何が一番すごいか」よりも、「どう違う存在として伝わるか」になります。
その違いがはっきりしているほど、人はその商品やサービスを見分けやすくなり、思い出されやすくなるのです。
そして、その「違い」を整理し、相手に伝わる形にしていく一連の行いのことを「ブランディング」と呼びます。
前章を読んで、ブランド作りやブランディングとは、かなり広い範囲で行うものである、と感じているところではないでしょうか。
その予想は正解で、ブランドとしての印象は、商品やサービスの内容はもちろん、見せ方、言葉づかい、価格の打ち出し方、接客、発信内容など、受け手が触れるさまざまな要素が積み重なって、はじめて出来上がっていくものです。
そう考えると、「ブランディングをやろう」と思った瞬間に、少し身構えてしまうのも無理はありません。実際、やろうと思えばやることはいくらでもありますし、しかも一度やって終わりではなく、継続して整えていく必要があります。予算や時間に余裕のない事業者にとっては、最初からそこまで手を広げるのは現実的ではないでしょう。
だからこそ大事なのは、「全部やる」ことではなく、「まず何から始めるか」です。
そこで注目して欲しいのが、「ロゴ」という存在です。
ブランド作り、ブランディングで使用するロゴのことを、「ブランドロゴ」と言います。
なぜならロゴは、名刺、Webサイト、SNS、提案資料、チラシ、看板など、外部とのさまざまな接点に共通して使うことができるからです。しかも、単に飾りとして置かれるのではなく、「これは同じ会社のもの」「これは同じサービスのもの」と認識してもらうための目印として機能します。
ブランディングでは、本来、見せ方や伝え方を少しずつ揃えていく必要があります。
しかし、接点ごとに見た目や雰囲気がばらばらだと、受け手の頭の中では情報がひとつにまとまりません。Webサイトでは真面目な印象なのに、SNSでは軽すぎる。提案資料では高級感を出しているのに、名刺は安っぽい。そうなると、それぞれの接点で受け取った印象が結びつかず、ブランドとしての像も育ちにくくなります。
その点、ブランドロゴがあると、少なくとも複数の接点を「同じ存在」として結びつけやすくなります。
もちろん、ロゴひとつでブランドのすべてが決まるわけではありません。ですが、各接点の印象をまとめる“共通の目印”があるだけでも、見せ方の軸はかなり作りやすくなります。つまりロゴは、ブランドそのものではないにせよ、ブランド作りを始めるうえでの“最初の道具”としてかなり優秀なのです。
時々ブランディング=ロゴづくりと勘違いされることもありますが、ロゴづくりはあくまでも一手段に過ぎず、本来ブランディングは広範な領域で戦略的に行うものです。たとえば、先ほど専門的で大がかりな例として紹介したCI(Corporate Identity)と呼ばれる戦略は、企業が自社の理念や特性を整理し、発信しやすく分かりやすい世界観に統一するというもので、そのCIの中にあるVI(Visual Identity:企業を象徴するような視覚的表現を統一しようという考え)に基づいて制作されたのが「ブランドロゴ」です。CI・VIについてはこちらのコラムも参考にご覧ください。

しかし一手段でありながらも、ロゴはブランディングの中でも重要な位置付けにあります。なぜならブランディング戦略において、最も早くに検討されるヴィジュアルはロゴであることが多いからです。他の制作物とは違い、ロゴはそれ単体でも商品やサービスのイメージや特徴を端的に表す機能を持っていなければならないという特徴があります。そのためデザイン検討では、どんなイメージを前面に出すか、どの特徴を際立たせるかといった、表現の「核」となる部分を整理する工程がとても重要で、それを整理したものは「トンマナ」呼ばれるルールとなり、他の制作物のデザインの「軸」にもなっていくのです。
そうしたブランディング上の機能・役割をしっかり果たすロゴを「ブランドロゴ」と言います。

言うまでもありませんが、ロゴはブランドのシンボルです。身に着けている服に高級ブランドのロゴが入っているのを見ると、その人はステータスが高いように感じるのではないでしょうか。しかし仮にその服や物にロゴが入っていなかったとしたらどうでしょう?ファッションに精通している人であれば服自体の品質で推測できると思いますが、そうでない人はロゴの有無だけで質を測ろうとするはずです。ロゴにはそういった役割があり、ブランドが完成された時、ロゴはシンボルとして最大の働きをするようになります。
ではここで、ブランドとして完成し、シンボルとしての働きが最も顕著な例をいくつかご紹介したいと思います。
LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)
イニシャルの「LV」を象ったシンボルマークが印象的で、それを用いた「モノグラム」と呼ばれる柄のアイテムは誰もが一度は目にしたことがあるはずです。アイテムの柄にするほどロゴにシンボル性があるといえる例だといえるのではないでしょうか。
イニシャルの組み合わせにフラワーモチーフがあしらわれたこの「モノグラム」は、ルイ・ヴィトンの息子ジョルジュ・ヴィトンがデザインしたもので、初めて発表されたのは今から実に100年以上前の1896年だと言われています。

NIKE(ナイキ)
スポーツブランドとして知らない人はいないほどだと思いますが、その印象的な流線型のシンボルマークは「スウッシュ(swoosh)」と呼ばれ、ロゴは時代に合わせて少しずつマイナーチェンジされながらも、このスウッシュだけは1971年から変わらずに使い続けられています。最近では「NIKE」のブランド名すらなくし、スウッシュのみをロゴとして使うことが増えており、シンボルマークが十分世の中に浸透していることが分かります。
ちなみにこのシンボルマークは、「NIKE」のブランド名の由来である古代ギリシャ神話の女神ニケの翼だと言われており、グラフィックデザイナーであるキャロライン・デイビッドソンによって当時35ドルほどで作られたというエピソードがあります。

Apple(アップル)
iPhoneやパソコンのMacで知られる、齧られたリンゴのシンボルマークのブランドです。近年のAppleの製品はいずれもシンプルなデザインで、同じスマートフォンやパソコンでもその高いデザイン性からApple社製のものを選ぶ人は少なくないと思います。そしてその製品の背中側に必ず入っているリンゴのマークは、シンプルな製品の中でひと際目立つように付けられていることがほとんどです。
このリンゴのマークは「ニュートンのリンゴ」が由来とされており、リンゴ単体のシンボルマークは1977年から少しずつマイナーチェンジされながらも現在まで変わらずに使い続けられています。

STARBUCKS(スターバックス)
街中にある人魚のマークのカフェでおなじみですが、最もPR効果のあるドリンクカップに印刷されたロゴから、NIKEと同様、マークの周囲に配されていた「STARBUCKS COFFEE」の文字がなくなりました。
ちなみにシンボルマークの人魚はギリシャ神話に登場するセイレーンがモチーフで、その歌声が船乗りを魅了したと言われており、「多くの人々を魅了したい」というSTARBUCKSの想いと重なったことがモチーフ採用の理由とされています。

これら完成したブランドロゴに共通しているのは、モチーフなどシンボルの基本的なデザインについてはどれだけ時間が経っても変えずに使い続けるという点です。色やディテールなど、時代に合わせたテイストの調整はあるにせよ、一目でそのブランドだと分からなくなるような変化は一切行われていません。これがロゴをブランドのシンボルとして定着させるための、最も大切な方法のひとつなのです。
形が単純であること、モチーフが一目で分かるように崩し過ぎていないことなど、シンプルに作ることがまず大切になります。「ああ、○○のロゴのところね」と口コミがされやすくもなり、また大人から子供まで幅広い年齢層でも理解しやすく、覚えやすくすることも重要でしょう。
ちなみに先ほど事例で挙げたAppleのロゴですが、齧られたリンゴのマークとしているのには理由があります。齧った跡は口の大きさそのままですので、それによって大きさが分かるため他の果実と勘違いされにくくなり、よりリンゴらしく見えることを狙ってデザインされたと言われています。
STARBUCKSの人魚セイレーンもそうですが、他にはないユニークなモチーフを用いたり、目を惹く特徴的な色使いをするとシンボルとして定着しやすくなります。ただし、意味のないものや、無関係なものをデザインに取り入れるのは避けた方が良いでしょう。ロゴとはブランドの想いや理念を形にしたものですので、そうした安易なことをするとデザインに奥行きがなくなり、ブランドの格にも傷を付けることになってしまいます。
時間が経っても変えずに使い続けることが、ロゴをブランドのシンボルとして定着させるためのポイントであることは先ほど説明しましたが、そのためには古臭く見えないようにしたり、流行に遅れたデザインにならないようにしたりすることが大切です。もちろん時代に合わせたマイナーチェンジは必要ですが、モチーフ選びなど基本となる部分においては、50年、100年先を見据えて考えるようにするとよいでしょう。
商品やサービスの象徴としてブランドロゴを設計しているにもかかわらず、「イメージが定着しない」「他と区別されない」「思ったほど価値が伝わらない」と感じているケースは少なくありません。
こうした状態に陥っている商品・サービスには、ロゴのデザイン以前に、ブランドロゴそのものに対する認識の誤解が共通して見られます。
ここでは、実際のロゴ制作・ブランディングの現場で頻繁に見られる、ブランドロゴが機能しなくなる典型的な3つの誤解を整理します。
もっとも多い誤解が、「デザインとして洗練されていれば、それはブランドロゴである」という考え方です。
確かに、商品やサービスのロゴにおいて、見た目の印象が重要であることは間違いありません。
しかし実際には、
・デザインは整っている
・配色や形状も今風
・単体で見れば完成度は高い
にもかかわらず、その商品・サービスらしさが伝わらないロゴは数多く存在します。
これは、
・どんな価値を持つ商品なのか
・どのような使われ方を想定しているのか
・どの層に選ばれる存在なのか
といった前提が整理されないまま、「見た目の完成度」だけでロゴが判断されているためです。
商品やサービスのブランドロゴは、装飾ではなく識別と意味付けのための視覚的な目印です。見た目が整っているだけでは、その役割を十分に果たすことはできません。
次に多いのが、「ロゴさえあれば、商品やサービスの価値は伝わる」という誤解です。
ブランドロゴは、商品・サービスの象徴ではありますが、それ単体で価値や魅力を完結させるものではありません。
実際には、
・商品・サービスの内容
・価格帯やポジショニング
・パッケージやUI、Webサイトのトーン
・利用体験や接点の積み重ね
こうした要素と組み合わさることで、はじめてロゴの意味がユーザーに定着していきます。
ロゴに過剰な役割を期待してしまうと、「ロゴがイメージと合っていない」「ブランド感が弱い」といった違和感が生まれやすくなります。
しかし多くの場合、問題はロゴそのものではなく、ロゴが置かれている商品・サービス全体の文脈との不整合にあります。
ブランドロゴは、あくまで全体設計の一部であるという前提を持つことが重要です。
「ブランドロゴは一度作ったら変えてはいけない」という考え方も、商品・サービスの現場ではよく見られる誤解です。
確かに、長く使われ続けているロゴには価値があります。しかしそれは、結果として変える必要がなかったのであって、最初から完成形として固定されているわけではありません。
商品やサービスは、
・提供価値が明確になる
・ターゲット層が広がる
・利用シーンが変化する
といった過程を経て、少しずつ成熟していきます。その過程で、ロゴと実態のズレが生じることも珍しくありません。
それにもかかわらず、「ブランドロゴだから」という理由だけで見直しができなくなり、結果として商品・サービスの進化を妨げてしまうケースもあります。
本来、ブランドロゴの価値は「変えないこと」そのものではなく、使われ続ける中で意味が蓄積されていくことにあります。
不変性は目的ではなく、結果として得られるものだという視点が欠かせません。
ここまで見てきたように、ブランドロゴが機能しない商品・サービスの多くは、デザイン以前に「ブランドロゴに何を期待し、どう位置づけるか」という認識の段階でつまずいています。
ブランドロゴは、商品やサービスの価値を“説明するもの”ではありません。
また、ロゴ単体でブランドを完成させる魔法の装置でもありません。
本来の役割は、商品・サービスが持つ価値や方向性を、視覚的に識別・想起させるためのシンボルであることです。
そのためには、
・見た目の良さだけで判断しないこと
・ロゴに過剰な役割を背負わせないこと
・一度作ったら終わりだと考えないこと
こうした前提を外したうえで、
商品・サービス全体の設計の中にロゴを正しく組み込む必要があります。
ブランドロゴは、商品やサービスの“代わり”になるものではなく、その存在を支え、意味を補強するための視覚的な目印です。
だからこそ重要なのは、「どんなロゴが正解か」を探すことではなく、自分たちの商品・サービスにとって、ロゴはどんな役割を担うべきかを整理することです。
この視点を持ったとき、ブランドロゴは単なるデザインではなく、商品・サービスの価値を伝え続けるための確かなシンボルとして機能し始めます。
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