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COLUMN
【目次】
1.ブランドロゴとは
2.ブランドのシンボルとして働くブランドロゴ
3.ブランドロゴ作成のポイント
4.ブランドロゴが機能しない商品・サービスに共通する3つの誤解
5.商品・サービスのシンボルとして、ブランドロゴをどう捉えるべきか
ロゴを作る時に必ず一度は「ブランド」という言葉を意識すると思います。ブランドと言えばLOUIS VUITTONやGUCCIなどを思い浮かべると思いますが、決してファッションブランドだけの話ではなく、どの業界でも通用するものです。ブランドを一言で説明すると、同じジャンルやカテゴリーの他社の商品やサービスと差別化するための概念のことで、その差別化する行為は「ブランディング」と呼ばれます。
時々ブランディング=ロゴづくりと勘違いされることもありますが、ロゴづくりはあくまでも一手段に過ぎず、本来ブランディングは広範な領域で戦略的に行うものです。たとえばCI(Corporate Identity)と呼ばれる戦略は、企業が自社の理念や特性を整理し、発信しやすく分かりやすい世界観に統一するというもので、そのCIの中にあるVI(Visual Identity:企業を象徴するような視覚的表現を統一しようという考え)に基づいて制作されたのが「ブランドロゴ」です。CI・VIについてはこちらのコラムも参考にご覧ください。

しかし一手段でありながらも、ロゴはブランディングの中でも重要な位置付けにあります。なぜならブランディング戦略において、最も早くに検討されるヴィジュアルはロゴであることが多いからです。他の制作物とは違い、ロゴはそれ単体でも商品やサービスのイメージや特徴を端的に表す機能を持っていなければならないという特徴があります。そのためデザイン検討では、どんなイメージを前面に出すか、どの特徴を際立たせるかといった、表現の「核」となる部分を整理する工程がとても重要で、それを整理したものは「トンマナ」呼ばれるルールとなり、他の制作物のデザインの「軸」にもなっていくのです。
そうしたブランディング上の機能・役割をしっかり果たすロゴを「ブランドロゴ」と言います。

言うまでもありませんが、ロゴはブランドのシンボルです。身に着けている服に高級ブランドのロゴが入っているのを見ると、その人はステータスが高いように感じるのではないでしょうか。しかし仮にその服や物にロゴが入っていなかったとしたらどうでしょう?ファッションに精通している人であれば服自体の品質で推測できると思いますが、そうでない人はロゴの有無だけで質を測ろうとするはずです。ロゴにはそういった役割があり、ブランドが完成された時、ロゴはシンボルとして最大の働きをするようになります。
ではここで、ブランドとして完成し、シンボルとしての働きが最も顕著な例をいくつかご紹介したいと思います。
LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)
イニシャルの「LV」を象ったシンボルマークが印象的で、それを用いた「モノグラム」と呼ばれる柄のアイテムは誰もが一度は目にしたことがあるはずです。アイテムの柄にするほどロゴにシンボル性があるといえる例だといえるのではないでしょうか。
イニシャルの組み合わせにフラワーモチーフがあしらわれたこの「モノグラム」は、ルイ・ヴィトンの息子ジョルジュ・ヴィトンがデザインしたもので、初めて発表されたのは今から実に100年以上前の1896年だと言われています。

NIKE(ナイキ)
スポーツブランドとして知らない人はいないほどだと思いますが、その印象的な流線型のシンボルマークは「スウッシュ(swoosh)」と呼ばれ、ロゴは時代に合わせて少しずつマイナーチェンジされながらも、このスウッシュだけは1971年から変わらずに使い続けられています。最近では「NIKE」のブランド名すらなくし、スウッシュのみをロゴとして使うことが増えており、シンボルマークが十分世の中に浸透していることが分かります。
ちなみにこのシンボルマークは、「NIKE」のブランド名の由来である古代ギリシャ神話の女神ニケの翼だと言われており、グラフィックデザイナーであるキャロライン・デイビッドソンによって当時35ドルほどで作られたというエピソードがあります。

Apple(アップル)
iPhoneやパソコンのMacで知られる、齧られたリンゴのシンボルマークのブランドです。近年のAppleの製品はいずれもシンプルなデザインで、同じスマートフォンやパソコンでもその高いデザイン性からApple社製のものを選ぶ人は少なくないと思います。そしてその製品の背中側に必ず入っているリンゴのマークは、シンプルな製品の中でひと際目立つように付けられていることがほとんどです。
このリンゴのマークは「ニュートンのリンゴ」が由来とされており、リンゴ単体のシンボルマークは1977年から少しずつマイナーチェンジされながらも現在まで変わらずに使い続けられています。

STARBUCKS(スターバックス)
街中にある人魚のマークのカフェでおなじみですが、最もPR効果のあるドリンクカップに印刷されたロゴから、NIKEと同様、マークの周囲に配されていた「STARBUCKS COFFEE」の文字がなくなりました。
ちなみにシンボルマークの人魚はギリシャ神話に登場するセイレーンがモチーフで、その歌声が船乗りを魅了したと言われており、「多くの人々を魅了したい」というSTARBUCKSの想いと重なったことがモチーフ採用の理由とされています。

これら完成したブランドロゴに共通しているのは、モチーフなどシンボルの基本的なデザインについてはどれだけ時間が経っても変えずに使い続けるという点です。色やディテールなど、時代に合わせたテイストの調整はあるにせよ、一目でそのブランドだと分からなくなるような変化は一切行われていません。これがロゴをブランドのシンボルとして定着させるための、最も大切な方法のひとつなのです。
形が単純であること、モチーフが一目で分かるように崩し過ぎていないことなど、シンプルに作ることがまず大切になります。「ああ、○○のロゴのところね」と口コミがされやすくもなり、また大人から子供まで幅広い年齢層でも理解しやすく、覚えやすくすることも重要でしょう。
ちなみに先ほど事例で挙げたAppleのロゴですが、齧られたリンゴのマークとしているのには理由があります。齧った跡は口の大きさそのままですので、それによって大きさが分かるため他の果実と勘違いされにくくなり、よりリンゴらしく見えることを狙ってデザインされたと言われています。
STARBUCKSの人魚セイレーンもそうですが、他にはないユニークなモチーフを用いたり、目を惹く特徴的な色使いをするとシンボルとして定着しやすくなります。ただし、意味のないものや、無関係なものをデザインに取り入れるのは避けた方が良いでしょう。ロゴとはブランドの想いや理念を形にしたものですので、そうした安易なことをするとデザインに奥行きがなくなり、ブランドの格にも傷を付けることになってしまいます。
時間が経っても変えずに使い続けることが、ロゴをブランドのシンボルとして定着させるためのポイントであることは先ほど説明しましたが、そのためには古臭く見えないようにしたり、流行に遅れたデザインにならないようにしたりすることが大切です。もちろん時代に合わせたマイナーチェンジは必要ですが、モチーフ選びなど基本となる部分においては、50年、100年先を見据えて考えるようにするとよいでしょう。
商品やサービスの象徴としてブランドロゴを設計しているにもかかわらず、「イメージが定着しない」「他と区別されない」「思ったほど価値が伝わらない」と感じているケースは少なくありません。
こうした状態に陥っている商品・サービスには、ロゴのデザイン以前に、ブランドロゴそのものに対する認識の誤解が共通して見られます。
ここでは、実際のロゴ制作・ブランディングの現場で頻繁に見られる、ブランドロゴが機能しなくなる典型的な3つの誤解を整理します。
もっとも多い誤解が、「デザインとして洗練されていれば、それはブランドロゴである」という考え方です。
確かに、商品やサービスのロゴにおいて、見た目の印象が重要であることは間違いありません。
しかし実際には、
・デザインは整っている
・配色や形状も今風
・単体で見れば完成度は高い
にもかかわらず、その商品・サービスらしさが伝わらないロゴは数多く存在します。
これは、
・どんな価値を持つ商品なのか
・どのような使われ方を想定しているのか
・どの層に選ばれる存在なのか
といった前提が整理されないまま、「見た目の完成度」だけでロゴが判断されているためです。
商品やサービスのブランドロゴは、装飾ではなく識別と意味付けのための視覚的な目印です。見た目が整っているだけでは、その役割を十分に果たすことはできません。
次に多いのが、「ロゴさえあれば、商品やサービスの価値は伝わる」という誤解です。
ブランドロゴは、商品・サービスの象徴ではありますが、それ単体で価値や魅力を完結させるものではありません。
実際には、
・商品・サービスの内容
・価格帯やポジショニング
・パッケージやUI、Webサイトのトーン
・利用体験や接点の積み重ね
こうした要素と組み合わさることで、はじめてロゴの意味がユーザーに定着していきます。
ロゴに過剰な役割を期待してしまうと、「ロゴがイメージと合っていない」「ブランド感が弱い」といった違和感が生まれやすくなります。
しかし多くの場合、問題はロゴそのものではなく、ロゴが置かれている商品・サービス全体の文脈との不整合にあります。
ブランドロゴは、あくまで全体設計の一部であるという前提を持つことが重要です。
「ブランドロゴは一度作ったら変えてはいけない」という考え方も、商品・サービスの現場ではよく見られる誤解です。
確かに、長く使われ続けているロゴには価値があります。しかしそれは、結果として変える必要がなかったのであって、最初から完成形として固定されているわけではありません。
商品やサービスは、
・提供価値が明確になる
・ターゲット層が広がる
・利用シーンが変化する
といった過程を経て、少しずつ成熟していきます。その過程で、ロゴと実態のズレが生じることも珍しくありません。
それにもかかわらず、「ブランドロゴだから」という理由だけで見直しができなくなり、結果として商品・サービスの進化を妨げてしまうケースもあります。
本来、ブランドロゴの価値は「変えないこと」そのものではなく、使われ続ける中で意味が蓄積されていくことにあります。
不変性は目的ではなく、結果として得られるものだという視点が欠かせません。
ここまで見てきたように、ブランドロゴが機能しない商品・サービスの多くは、デザイン以前に「ブランドロゴに何を期待し、どう位置づけるか」という認識の段階でつまずいています。
ブランドロゴは、商品やサービスの価値を“説明するもの”ではありません。
また、ロゴ単体でブランドを完成させる魔法の装置でもありません。
本来の役割は、商品・サービスが持つ価値や方向性を、視覚的に識別・想起させるためのシンボルであることです。
そのためには、
・見た目の良さだけで判断しないこと
・ロゴに過剰な役割を背負わせないこと
・一度作ったら終わりだと考えないこと
こうした前提を外したうえで、
商品・サービス全体の設計の中にロゴを正しく組み込む必要があります。
ブランドロゴは、商品やサービスの“代わり”になるものではなく、その存在を支え、意味を補強するための視覚的な目印です。
だからこそ重要なのは、「どんなロゴが正解か」を探すことではなく、自分たちの商品・サービスにとって、ロゴはどんな役割を担うべきかを整理することです。
この視点を持ったとき、ブランドロゴは単なるデザインではなく、商品・サービスの価値を伝え続けるための確かなシンボルとして機能し始めます。
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