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COLUMN
ロゴをデザインするには様々なルールや作法があり、それをきちんと守らなければいけないという話をよく聞きます。インターネットで「ロゴデザイン やってはいけない」で検索するとたくさんの「やってはいけない」が出てくることからも、多くの方がそう考えているのではないでしょうか。
しかしその「やってはいけない」を全て守ってロゴを作ると、実に面白味のない、淡白なロゴになってしまうのです。
ロゴとは、会社やお店、商品やサービスなどの個性(アイデンティティ)のシンボルです。そのシンボルが個性的でなければ、そもそもロゴの役割を果たしているとは言えないはずです。
そこでこのコラムでは、ロゴデザインでよく言われる6つの「やってはいけない」を取り上げ、制作現場では実際どうなのかを紹介していきたいと思います。
またこの6つの「やってはいけない」ですが、デザインとは全く関係のない、一般の方からしたら「なんで?」と思うようなものばかりだと思います。
そのあたりのギャップも楽しみながら是非ご覧ください。
【目次】
まずはグラデーションです。グラデーションを使ってはいけない理由としては、印刷で色が表現できないからだと言われています。
しかしこれは正確ではなく、正しくは印刷で色が表現できないのではなく、モニターで見ている雰囲気と同じ発色を印刷するのが難しいのです。
モニターは加法混色(混ぜれば混ぜるほど明るい色になっていく)であるRGB、印刷は減法混色(混ぜれば混ぜるほど暗い色になっていく)であるCMYKですので、そもそも色を作る方式が異なります。しかし印刷用のデータを作る時は必ずRGBをCMYKにデータを変換しなければならず、繊細な色表現の場合、そのまま変換したものを使うとくすんだ色になりやすいのです。
ロゴはパソコンのモニターを見ながら作られるため、RGBの発色を見ながら色を決めていきます。しかしモニター上で綺麗であっても、印刷した時に雰囲気が変わってしまうというのはよくあることです。グラデーションは繊細な色表現のため、印刷した時に、モニターで見た色表現が再現するのが難しいため、ロゴでグラデーションを使うことをやってはいけない、と言われるようになったのだと思います。
ですが最近では、ロゴを印刷して使わないケースも増えてきました。ECサイトなどWeb上でのみ事業を展開する会社や、PRツールはWebのみといったところは、モニターでしかロゴを見ることがないのです。
そうするとロゴの色を印刷検証する必要がなく、またモニター上での発色のみを気にすればよいため、グラデーションをはじめとする色表現の制約が少なくなり、自由な配色・色使いができるようになります。
グラデーションのロゴといえば、最近ではインスタグラムのロゴを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。あのマジックアワーの空のようなグラデーションは印象的で、あの色使いでインスタグラムが連想できるくらいブランドカラーとして定着したのではないかと思います。
今は色がブランド確立の強い武器になる時代です。印刷での色再現など気にせず、あえてロゴにグラデーションを用いるのも有効な戦略となるのではないでしょうか。
個性的なデザインのロゴを作ろうとすると、真似できないような複雑な形にしたり、特徴的な装飾を用いたくなったりしますよね。また業種や業態によってはそういったデザインが好まれることもあると思います。ではなぜ複雑な形や装飾を用いることが「やってはいけない」と言われるのでしょうか。それは、ロゴのサイズに関係があります。
ロゴは、小さいものはアイコンやファビコン、大きいものは建築や看板に掲げるなど、大小さまざまな使い方がなされます。大きく使われる場合は問題ありませんが、アイコンやファビコンといった小さなものは、最小で16×16ピクセル、つまり縦横16個ずつの点で視認できるロゴにしなければならい場合もあるのです。複雑な形や装飾をそのサイズで視認できるようにするのは難しいため、ロゴをそういった作り方にするのは「やってはいけない」と言われるのだと思います。
しかしロゴは全て、そんな小さいサイズでも視認できるようにしなければならないのでしょうか?アイコンやファビコンがメインの使い方になるのであれば十分に配慮しなければなりませんが、お客さんやユーザーがロゴを最初に目にするのはアイコンやファビコンではなく、Webサイトや名刺など、ロゴがそれなりの大きさで用いられている場合なのではないでしょうか。
つまり、小さなサイズでも使用するから複雑な形や装飾をロゴに用いてはいけないというのは適切ではなく、最も目にするシーンで使うサイズに適した作り方にするのが正解だと考えます。
「大は小を兼ねる」と言いますがロゴはその反対で「小は大を兼ねる」のですが、小さいサイズに適したデザインにしたことで、一番よく目にするサイズで使った時、間の抜けた雰囲気になってしまっては本末転倒ではないでしょうか。
ですので、最も見られる機会の多いサイズが分かっているのであれば、複雑な形や装飾をロゴに使うのは、全然構わないことだと思います。
インターネット上でダウンロードしたり、購入したりして手に入れることができる図形データや素材データを使ってロゴを作っている人は実はたくさんいます。そういった類のものを使ってロゴをデザインすることは慣習的にNGとされていますが、冷静に考えると何が一体問題なのでしょう。
では、家紋や伝統模様、音符や数学記号・地図記号などをロゴに用いることは、コンセプトに合ってさえいれば咎められることがないのはなぜでしょうか?同じことのように思いますが、唯一違うのは、伝統的図形や記号には著作権がないという点です。
著作権は50年経つと無効になります。ですので、伝統的図形や記号が大丈夫でも、最近作られた図形や素材を使うことは問題になるのです。しかしどうしても使いたい、使わなければならない時は、著作権フリーのものや、著作者に確認した上で使うようにしましょう。また、他人が作ったもの使っていながら、あたかも全て自分が一から制作したように発表することについては制作者の考え次第だと思います。しかしこれは一応、「やってはいけない」という訳ではないとだけ記しておきましょう。
似せた、真似したといった類のデザインはNGですが、「どこかで見たことがある」ようなデザインはやってはいけないのでしょうか。実際は、お客さんから「○○のロゴと似たような雰囲気にして欲しい」というリクエストを頂くことはよくあります。
有名企業などのロゴは、客観的なデザインの良し悪しではなく、「著名だから良いデザイン」と世の中に評価されていることが多々あります。有名企業なのだから、さぞかし有名なデザイナーが作ったロゴなのだろうと世の中の人は思っているのかもしれません。
自分のデザインセンスに自信がなく、でも確実に良いデザインのロゴを作りたいと思っている方はそういった依頼の仕方が多いように思います。しかしsynchlogoでは、そのリクエストを超えるデザインが提供できると思えば、やはりできるだけ既視感のないようにデザインするようにしています。それは、リクエストもないのに既視感のあるロゴを作ってしまうのは、発想が安直で、デザイナーがアイデアを出し切れてないからだと考えているからです。
ですので、既視感のあるロゴをデザインするのは「やってはいけない」のではなく、「止むなくやる」ものなのではないかと思います。
正直これは、別にやってもいいことだと思います。むしろ場合によっては積極的にやるべきことだととも思います。
流行を取り入れたデザインにしてはいけないと言われる理由は、ロゴが50年、100年使われることが良いことだとされているからです。50年、100年も経てばデザインの流行は変わります。その時、過去の流行で作ったロゴは「ダサい」と言われるようになってしまうかもしれないため、「流行に左右されないデザイン」とか「永続性のあるデザイン」が良いとされるようになったのです。
ですが、そもそも「流行に左右されないデザイン」や「永続性のあるデザイン」なんて作れるのでしょうか?そういったデザインは意図的に作れるものではなく、長く使い続けられたロゴが「流行に左右されなかったデザイン」だったのではないでしょうか。
もちろん長く使って頂きたいと思いながらデザイナーはロゴをデザインします。しかしそれは流行を取り入れるかどうかと別の話だと思っています。
たとえば若年層をターゲットにした商品のロゴなどはどうでしょう。購買の促進を目的にしたロゴ作りであれば、率先してロゴのデザインにも流行は取り入れるべきではないでしょうか。また、10年で売却することを目標にした事業のロゴを作る時もそうです。スタートアップの時などはやはり「今」にフィーチャーしたデザインを求められることが多いです。
近年では、大企業のロゴも積極的に変えています。会社自体を時代に合わせてリブランディングし、積極的に新陳代謝を図ろうとしています。
そんな時、ロゴを新しくするかどうかを決めるのはデザイナーではなく、企業の姿勢です。ですのでロゴに流行を取り入れるかどうかというのは大した話ではなく、なぜ取り入れようとするのか、しないのかということが重要なのではないでしょうか。
世の中全てのロゴ・ロゴタイプに既存のフォントが使われていない、訳がありません。
むしろ既存のフォントをそのまま使っている方が圧倒的に多いと思います。
もちろん皆が使っているから使ってよい、ということではありません。フォントは各フォントメーカーやフォント制作者によって使用許諾範囲が定められており、それに準じて使用しなければなりません。ロゴで既存フォントを使用する際にチェックする必要があるのは以下の3点です。
①ロゴにとして使用可能かどうか
②商用利用が可能かどうか
③商標登録・意匠登録が可能かどうか
しかしなぜ既存フォントをロゴに使ってはいけない、と思われているのでしょうか。それは、
A:上記の使用許諾範囲を必要以上に厳しく捉えていた傾向があった
B:ロゴタイプ(ロゴの文字列部分)もロゴの一部なのだから、デザイナーなら「オリジナルの字体を作るくらいの意気込みがないとダメでしょう」といった空気感
があったからだと思われます。
Aについては使用許諾範囲をきちんと確認すればよく、また最近ではAdobe fontsのように上記①~③を広く認めるケースも多く出てきています。
次にBについてですが、オリジナルの字体を作るというのはかなり大変なことで、文字を作るプロがいるほどの専門領域があるほどです。特に和文、漢字をゼロから作るのは、熟練のデザイナーでもかなり難しいとされています。
ロゴを多く扱うデザイナーでもロゴタイプを作る際は、何らかのフォントをベースに、それをアレンジして個性を出していくやり方をしている方がほとんどです。アルファベットなど簡単な文字であれば、ゼロから作った方が個性的なものが出来上がることもありますが、漢字など複雑な文字をゼロから作り上げたとしても、その労力ほどの効果が得られるとは限らないと思います。つまり、全てをフルオリジナルで作るのが最善であるというわけではない、ということなのです。
いかがでしたでしょうか。デザイナーの間でよく言われているロゴデザインの「やってはいけない」は過剰に表現されているものが多く、正確性に欠けている例ばかりであることが分かったのではないかと思います。
本当にやってはいけないのは「お客様の希望に背くこと」と「他人のデザインを模倣・盗用すること」で、その2つさえを守れば、あとは自由にデザインしてこそ、それぞれのロゴに個性というものが出てくるのだと考えています。
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