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どんな色のロゴにしよう?-ロゴ作りにおける色の考え方から決め方まで

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ロゴにおける色の役割は非常に大きく、好みやで決めてはならないものです。なぜならロゴで決めた色はロゴだけで終わらず、多くの場合は様々なプロモーションで展開していくブランドカラーとして使われていくからです。

ブランドカラーで有名な一例を挙げますと、ジュエリーブランド「Tiffany & Co.」の「ティファニーブルー」と呼ばれるターコイズ調の色は、最も有名な色のひとつではないでしょうか。この色のショッピングバッグを持って街を歩くことが女性の憧れになっていたこともあるほどです。1845年創刊のブルーブックの表紙用に、創業者チャールズ・ルイス・ティファニー氏が選んだこの色は、「ティファニーの品々はどれも気高くあらねばならない」という信念を世に広めた色といっても過言ではないでしょう。

▲ティファニーブルー(画像はTiffany & Co. 公式サイトより引用)

また、ロゴは時代や環境によってリニューアルされることがあっても、ブランドとして定着した色はめったに変わることがなく、たとえば会社が合併・統合した時などに作る新たなロゴが、それぞれの会社のコーポレートカラーを組み合わせたものになることも珍しくありません。最近では“北海道の翼”AIRDOと“九州・沖縄の翼”ソラシドエアが、両社の強みを活かした新たなグループとなるべく経営統合が行われ、2022年10月に共同持株会社「株式会社リージョナルプラスウイングス」が誕生しましたが、そのロゴは、AIRDOのブルーとソラシドエアのグリーンという2社のブランドイメージカラーを融合したものとなっています。

▲画像・文章ともに株式会社リージョナルプラスウイングス公式サイトより引用

▲合併により誕生し新会社のロゴ(株式会社昭和トラスト|ロゴデザイン:synchlogo)

そんなブランドカラーですが、どのような考え方に基づいて決められているかというと、VI(Visual Identity)というブランディングの考え方に基づいて検討が行われます。VIとは「企業を象徴するような視覚的表現を統一しよう」という概念のことで(参考コラム:「ロゴ、マークの専門用語解説」)、ロゴを制作する前段階で検討されることが多く、ロゴをはじめとした各種制作物の色などはそこで決められたものを前提に作られていきます。

しかしVIは大掛かりかつ戦略的に行うことが多いため、大規模な予算や期間がなければ行うことはなかなか難しく、たとえば中小企業や小さなプロジェクトのリブランディングで、既存の制作物を一気に全て作り直すといったことはそう簡単にできるものではありません。そこで簡易的なVIとして、ロゴ検討時に決めた色をトンマナ(tone:色・色調&manner:様式・作風)として定め、それを他の制作物等にも少しづつ時間をかけて適用していくことで、徐々にブランドカラーとして確立していくという方法を採用することが多くあります。ですのでロゴで色を検討するというのは、実は大きな責任を背負っているのです。

▲ロゴで考えた色がトンマナによって展開された例(東和IT専門学校|ロゴデザイン:synchlogo)

そこでここでは、VIほど大掛かりなことはできないけれども、トンマナになることを想定したロゴの色検討はどのように行えばよいかについて解説していきたいと思います。上手くやれば様々な理由に基づいた、VIにも見劣りしないブランディングに効果的な色選びができるかもしれません。

【目次】

1.ロゴの色が人に与える印象について
2.ロゴにおける色の調和について
3.ロゴの最終決定色の選び方
4.成果品としての色の納め方
5.まとめ

1.ロゴの色が人に与える印象について

まず色といえば、人にどのような「印象」を与えるかが大切になってきます。人は色を見て様々な感情が生まれたり影響を受けたりするもので、そのあたりについては「色彩心理学」という学問が昔から確立され、それがベースになったデザイナー向けの資格もたくさんあるほどです。

そしてそれら学問的・学術的な見解は、実際のデザイン現場での「経験」とも交わりながら、今ではデザイナーの基礎知識として定着し、「こういう理由があるから、この色をブランドカラーにしましょう」という提案の源になっています。

ここではその一例として、「このロゴの色はこんなブランドイメージを与えやすい」というのを紹介していきたいと思います。なお以下に示すロゴとその解説は、全てsynchlogoにて制作された実例に基づいたものになります。

代表的な色

◆赤色:レッド

熱さ、強さ、情熱、興奮、生命など、様々な事柄のダイナミズムを感じさせます。一方で、火を感じさせるイメージをネガティブな方向に捉えたり、血の色をイメージさせたりすることもあります。インパクトのある色で目に留まりやすいため、様々な業種のロゴに使われている色です。

◆橙色:オレンジ


暖かさ(温かさ)、親しみ、明るさ、健康など、ポジティブな印象を与える色です。またネガティブなイメージをあまり持たせない色でもあるので、非常に使いやすく、こちらも様々な業種に使われていますが、医療系・福祉系のロゴでは時に多く見られます。

◆黄色:イエロー


光、希望、発見、元気など、輝きや閃きなどを感じさせる雰囲気や快活なイメージを感じさせるほか、注意を促すような時にも使われる色です。革新的なことを行う会社などが好んで使う傾向があります。

◆黄緑色:イエローグリーン


みずみずしさ、安らぎ、癒し、自然など、新葉や芽をイメージさせるやわらかい印象を与える色です。そのため橙色と同じく、医療系・福祉系のロゴで多く見られます。また、自然環境に関わるロゴでも多く使われます。

◆緑色:グリーン


平和、調和、公平、環境など、黄緑色と同じく植物を連想させる色ですが、黄緑色より一つ深みのあるイメージを与える色です。様々な業種のロゴに使われている色ですが、黄緑色と同様自然環境に関わるロゴでも多く見られます。

◆水色・空色:ライトブルー・スカイブルー


爽やかさ、涼しさ、清涼感、透明感など、水や空にまつわる雰囲気を漂わせるほか、ロゴに軽やかな印象を与える色です。黄緑色や緑色と同じく環境系でも使われることがあります。

◆青色・ブルー


誠実・冷静・信頼・安定・先進性・未来感など、安心感を与える落ち着いた色であるのに加え、宇宙などを連想させる深い青からは未来感なども感じさせるため、様々な業種のロゴに使われている色です。

その他特徴的な色

◆藍色・インディゴ
伝統、格式など歴史性を感じさせるほか、「ジャパン・ブルー」とも呼ばれることから和を表す時にも使われる色です。

◆紫色・パープル
高貴、高級、優雅、神秘など、ハイクラスの趣きを感じさせる時に使われたり、ミステリアスな雰囲気を漂わせたりする時に使われる色です。

◆桃色・ピンク
優しさ、可愛らしさ、華やかさなど、女性的な印象を与えたい時に使われるほか、ハートフルな雰囲気を作りたい時にもよく使われます。

◆茶色・ブラウン
温もり、成熟などを感じさせる色で、木や土といった自然的なものも感じさせます。

無彩色

◆黒色・ブラック
威厳、重厚を感じさせるほか、単色で使えば色でイメージを与えないようにすることもできる。

◆白色・ホワイト
純粋、無垢、清潔、神聖な印象があるほか、他の色を引き立てたり背景になったりする色です。

◆灰色・グレー
落ち着き、中立など、中間的な状態を表すときに使われる色です。

2.ロゴにおける色の調和について

次に大切なのは、色の組み合わせ方です。ロゴやブランドカラーはひとつの色だけで作ることもあれば、複数の色を組み合わせて作ることもあります。複数の色を組み合わせるメリットとしては、他にはないオリジナリティのあるブランドカラーが作り出しやすいことでしょう。しかしここで注意が必要なのは、どんな色の組み合わせでも良いという訳ではなく、場合によっては不快な雰囲気を醸し出してしまうこともあるという点です。

そこで大切になってくるのが「色の調和」という視点です。色の調和については大昔から研究がなされており、今の色彩調和の基礎となっているのは、アメリカの色彩学者Deane B. Juddによる色彩調和論です。それまでの様々な色彩調和についての研究をまとめたもので、色の調和には大きく4つの原理があることが説明されています。この原理も制作現場の経験を交えて基礎知識としてデザイナーに定着しているので、簡単なものをここでいくつか紹介したいと思います。

◆秩序の原理

▲右の色相環の図はDICカラーデザイン株式会社のサイトから引用


色相環の中で、幾何学的な位置関係にある、規則的に選んだ色同士は調和するという原理です。
上の図はその例のいくつかで、

①同一色相(色相環の位置関係が0°)
②隣接色相(色相環の位置関係が30°)
③中差色相(色相環の位置関係が90°)
④補色色相(色相環の位置関係が180°)

などがあります。

◆類似性の原理

同じ色相や近い色相、また同じトーンで配色された色は調和するという原理です。
上の図はその例のいくつかで、左から順に、

・同一もしくは近似色相でトーンが異なる「ドミナントカラー」
・同一もしくは近似色相で明度差がある「ドミナントカラー」
・同一もしくは近似トーンで色相が異なる「ドミナントトーン」
・同一もしくは近似トーンで明度差が少ない「トーンイントーン」

などがあります。

◆明瞭性の原理

曖昧な色の関係ではなく、コントラストの差が大きい色同士は調和するという原理です。

◆なじみの原理


自然界で見られる色など、馴染み深い見慣れた色同士は調和するという原理です。

3.ロゴの最終決定色の選び方

1、2の検討によって、ある程度ロゴやブランドカラーの候補となる色は絞られてくると思いますが、ここでは最終的に色を決める際はどういった観点が決め手になるのかについて解説していきたいと思います。ブランドカラーとなる色ですから、学問的見解だけで選ぶのではなく、選び手の「意思」や「想い」が込められることも重要です。synchlogoにおけるこれまでの経験を踏まえると、大きく下記5つがその観点として挙げられると思います。

◆「らしさ」で選ぶ
その業界らしさや会社・お店らしさなど、「らしさ」が一番出る色を意識して選ぶとよいでしょう。イメージにぴったりの色を選ぶと、見た人の記憶にも残りやすく、「あの〇〇色のお店ね」というふうに、色だけで認知してもらえるようになることも十分考えられます。

◆形に呼応するものを選ぶ
ロゴの形やモチーフに呼応した色を選ぶと、デザインの意図がはっきりするようになり、伝えたい意味やメッセージもより明確に伝わるようになります。

◆意味付けしたいことで選ぶ
色によって伝えたい意味やメッセージがある時にやる決め方です。ロゴの形やモチーフとはあえて無関係な色を使うことも可能で、やり方によってはメッセージ性の強い表現ができるようになります。

◆差別化できるように選ぶ
競合先などが使っている色をチェックし、被らない色とすることで独自性を得る決め方です。色は最も差別化できる方法の一つなので、競合が要る場合は必ず確認するようにしておいて方がよいでしょう。

◆トレンドで選ぶ
その時代に好まれている色をチェックし、流行に乗る配色とする決め方です。ただし同じような色にするところも出てくると思われるので、被らないかどうかの確認はよくしておいた方がよいでしょう。

4.成果品としての色の納め方

上記までで色自体は決定すると思いますが、その色をブランドカラーとして引き継げるようにしておく必要があります。「この色がブランドカラーです」と見せられても、それだけでは同じ色を正確に再現することは不可能だからです。赤は赤でも、真っ赤、少し黄色みがかった赤、暗めの赤などがあり、その色味の微妙な差で統一感が損なわれてしまうと、ブランドが台無しになってしまいます。

そのためには色を数値化するなど「データ」に変換し、引き継げるための成果品として整える必要があります。ここではその成果品としての色の納め方を紹介したいと思います。デジタル上の決め方とアナログ上の納め方では異なるので、それぞれ紹介していきたいと思います。

デジタル上での色の納め方

現在、印刷物などもまずはパソコン上でそのデータを作るため、ロゴもデータで納品されることが主流となっています。ですので色についても数値化したものを成果品として納めることになります。数値化する方法はロゴの用途によって異なりますが、主に下記2つで概ね事足りるかと思います。

▲CMYKカラーとRGBカラー(図は株式会社グラフィックのサイトより引用)

◆CMYKカラー
Cyan(シアン)・Magenta(マゼンタ)・Yellow(イエロー)・Key plate(キープレート≒黒)の頭文字からCMYKと名付けられた数値化の方法です。Kを除いた3つの色(シアン・マゼンタ・イエロー)は「色の三原色」とも呼ばれますが、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。また色の三原色は混ぜれば混ぜるほど暗い色になっていくことから「減法混色」とも呼ばれています。
プリンターのインクを見るとこのCMYKの4色が使われているを見つけることができると思いますが、印刷物のほとんどはこの4色で作られています。なお色の三原色であるCMYだけでは純粋な黒は作れないため、Kも加えた4色が印刷における標準仕様となっているのです。
この各インクの配分によって色が作られるため、CMYKそれぞれの濃度を0~100%の中で設定することで、パソコンからプリンターに色の指示が出せるようになっているのです。

◆RGBカラー
こちらはRed(レッド)・Green(グリーン)・Blue(ブルー)の頭文字からRGBと名付けられた数値化の方法です。CMYが色の三原色と呼ばれるのに対し、こちらは「光の三原色」と呼ばれます。こちら光の三原色は色を混ぜれば混ぜるほど明るい色になっていくことから「加法混色」とも呼ばれています。
テレビやパソコンのモニターの色調整ができる設定画面を見ると、「RGB」という調節メモリを見つけることができると思います。モニターなど発光する方式はこの3色で色が出力されています。
この3色はそれぞれ256段階の調節ができるため、R:256×G:256×B:256=16,777,216通りの色を表現することが可能となっています。

このようにどちらも数値化されていますが、その数値を分かりやすいものにすることも大切です。例えば決定した色がC:59%であれば、ほとんど見た目が変わらないC:60%にしましょう、ということです。キリのよい数値にしておくことで使いやすい色となり、ブランディングにもやさしい対応だといえるでしょう。

アナログ上での色の決め方

ペンキなど塗装によってロゴを描く時、狙った色を数値から作り出すことはできず、実際に使う塗料をブレンドして作るしかありません。多くのサンプルを作り、その中から決定していく訳ですが、そのサンプルを作る際目標になるものが必要となります。それは「色見本帳」と言われるもので、様々な塗料メーカーや団体が発行しています。

▲色見本帳の一例(画像は一般社団法人 日本塗料工業会のサイトから引用)

これにはそれぞれの色にアルファベットと数字が組み合わせられた「色番号」と呼ばれるものが付けられており、塗装施工者にこの色番号を伝えると、目指す色を伝えることができます。今は塗装でロゴを描くことは少なくなってきたのであまり機会は多くありませんが、もしそういった機会がありそうな時は、CMYK・RGBとは別に、色見本帳にて色を決めておくようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?
色は様々な効果や影響を及ぼすため、簡単に決められるものではないことが分かって頂けたのではないかと思います。また「色選びはセンス」と言われることが多いですが、実はこういったプロセスを経て決められていることがご理解いただけたのではないかと思います。

これからロゴを作ろうと考えている方は是非参考にしてみてください。

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