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【病院・クリニックのロゴ作成】差別化できる医療ロゴのデザイン・作り方とは

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人々の生活圏内に必ずある病院・クリニック。都市にある大病院から地域に根付いた医院・クリニックまで、大小様々な医療機関が存在し、特に地域では同業間の競争もしばしば見られ、差別化をしなければ生き残れない状況もあるようです。

そんな中、デザインによって差別化を行おうとする医療機関も近年は増えてきました。特に施設の玄関やHPに掲げるロゴは「顔」となる存在であるため、デザインにこだわりたいと考える方も多いようです。

そこでここでは病院・クリニックなどの医療ロゴについて、差別化できるデザインのポイントなどを、実例を交えながら紹介していきたいと思います。

1.病院・クリニックとは

医療は、疾患や病気の診断・治療・予防などを行う分野で、医師・薬剤師をはじめとした、そのほとんどが資格保有者で構成されている極めて専門性の強い職業です。医療は人間の生活に根付く必要不可欠なものであり、医療サービスを提供する病院やクリニックなどは、都市や地域におけるインフラ的な役割を担うものとして認識されています。

医療法における「病院」とは、20床以上の入院施設(ベッド数)を持つ医療機関と定められており、比較的規模の大きい医療施設のことを指します。一方入院施設が20床未満のものは「診療所」と呼ばれる医療機関で、その他「クリニック」「医院」など、名称の付け方については自由となっています。

2.病院・クリニックがロゴを必要とする理由

全国の病院・診療所の施設数を見てみると、病院数・歯科診療所数はこの20年ほぼ横ばいで、診療所については有床一般診療所数が減る一方、無床一般診療所数が増えており、一般診療所全体としては増加傾向であると言えます。またそれに比例して病院・クリニックのロゴ制作需要も年々高まっており、毎年様々なロゴデザインが生み出されています。

人が生活するにあたり、病院やクリニックの存在は不可欠なものです。命や健康に関わることは誰しもなおざりにはしないため、全国どの都市や町でも病院・クリニックはいくつかあります。そしてそれら病院・クリニックの多くは、看板やホームページにロゴを掲げていると思います。ここではまず、病院・クリニックがロゴを必要とする理由を確認していきましょう。

◆アイデンティティの確立
病院やクリニックの独自のアイデンティティを確立し、他の病院やクリニックとの差別化を図る手段としてロゴが用いられます。ロゴを掲げることで、地域内の患者やコミュニティに対して、独自性や専門性をアピールできるからです。

◆プロフェッショナリズムの印象づけ
しっかりしたロゴデザインを掲げることは、病院やクリニックがプロフェッショナリズムを持っていることを示す重要な要素です。患者が病院やクリニックにアプローチする際、ロゴは最初に目するものですので、プロフェッショナルらしい外観を整えて、信頼感・安心感を獲得することが重要です。

◆認知度の向上
知られなければ開業しても意味はありません。ロゴは病院・クリニックの認知度を高め、その名称や存在が地域に浸透するのに役立ちます。患者はロゴによってその病院・クリニックのことを覚え、必要に際して調べ、来院するようになるでしょう。

◆コミュニケーション手段の獲得
ロゴは、病院やクリニックの価値観やミッションを視覚的に伝える手段として機能します。適切にデザインされたロゴは、病院の理念や専門性を伝え、患者やスタッフに共感を呼び起こすことができます。

まとめると、病院やクリニックがロゴを掲げるのは、アイデンティティの確立、プロフェッショナリズムの印象づけ認知度の向上コミュニケーション手段の獲得のためだといえます。それにより患者の信頼を得ることで、病院およびクリニックの成功に繋がっていくでしょう。

3.「医療業界らしさ」を感じさせるテーマ設定

多くの病院・クリニックがあるだけに、そのロゴのデザインにも様々なバリエーションがあると思います。しかしそのデザインの由来を調べてみると、ある傾向があることが分かりました。インターネット上にデザインの説明が公開されている、25の医療ロゴ事例を俯瞰したところ、ある共通したテーマ設定のもとロゴがデザインされていたのです。そのデザインテーマとは以下の通りです。

✓安心・親しみ
✓やさしさ・あたたかさ
✓信頼
✓生命・健康
✓地域
✓未来・発展
✓輪・和
✓協力・支え合い
✓病院と患者の関係性
✓先端医療
✓飛翔・飛躍

いずれも医療業界らしい、医療業界ならではのテーマであることが一目で分かると思います。やはり来院・利用する患者目線で考えると、「医療業界らしさ」を感じさせるテーマ設定は最低限押さえておくべきということなのでしょう。あまりに奇抜・ユニークなテーマだと、医療に相応しくないロゴになるおそれもあり、場合によってはマイナスなイメージを与えるおそれもあるので、無難なテーマ設定を心掛けた方がよいと思います。

また以下が調査した25の事例の詳細です。これらを見ると、上記10点のデザインテーマのいずれかが、一つないし複数設定されていることが分かると思います。それでは詳細をひとつずつ見ていきましょう。

◆医療法人社団哺育会 白岡中央総合病院

ロゴデザインテーマ:地域/安心・親しみ/信頼

このシンボルマークの中央には、白岡市の基幹病院としての本院の役割をイメージして、白岡の頭文字の「S」をデザインしました。この「S」は白岡の特産品である「梨」をシンボリックにイメージしており、成熟しつつある「梨」を3つの黄色で立体的に表現しました。皆さまに明るく親しみをもっていただきたいという願いを込めています。
また、この「S」に信頼の色合いである青色の十字を重ね、さらに下段に病院名を英語表記で配置して安定感(安心感)を持たせ、上段のマークを支える(地域の皆さまの健康をお支えする)ことにより、一体感を持たせたデザインとしました。

引用:白岡中央総合病院シンボルマークについて

◆香川県立中央病院

ロゴデザインテーマ:安心・親しみ/先端医療/地域

香川を抱きかかえる動作及びスタッフのアクションが創りだす空間が”安心・安全の場”を意味し、イメージの軌跡が高度先端医療の推進する姿勢を表します。 病院を象徴する”十”字、中央病院の”中”、Kagawa Prefectural Central Hospitalの”K” “P” “C” をイメージする形状で香川県立中央病院を象徴します。 ホスピタルカラーは、香川県章のオリーブグリーン、オリーブリーフグリーンです。

引用:ロゴマークのご紹介(香川県立中央病院)

◆医療法人積仁会 島田総合病院

ロゴデザインテーマ:協力・支え合い/地域/飛翔・飛躍

島田総合病院の頭文字“S”を中心に、当院が目指す『チーム医療』や地域の基幹病院としての『地域連携(リンク)』を“サークル”で表現しました。
サークルカラーの意味は、下の部分が、「地域に密着した医療」を“地に根付く”ということから『茶色』で表現しています。
また、上の部分は、未来へ邁進して“大空に羽ばたく”ことを『水色』にて表現しました。

引用:ロゴマークの意味(医療法人積仁会 島田総合病院)

◆琉球大学病院

ロゴデザインテーマ:地域/生命・健康

「デイゴ」と琉球の頭文字「R」をモチーフにデザインしました。デイゴは沖縄県の花であり、また、花言葉には「生命力」が含まれ、医療機関の象徴としてふさわしいものと考えました。花びらの一枚において、裏と表がひるがえっているのは、「継続」を象徴しており、途切れることなく研究と医療行為が繰り返される大学病院の存在をイメージしております。また、上向きの雄しべによって、沖縄の華やかさ、生命の力強さを表現しました。

引用:医学部・琉大病院ロゴマークについて(琉球大学病院)

◆富山県立中央病院

ロゴデザインテーマ:地域/信頼/安心・親しみ/やさしさ・あたたかさ

楕円の形は、中央病院(CENTRAL HOSPITAL)の頭文字「C」を表しています。
内側のグリーンから外側のブルーにかけてのグラデーションは、当院が県の中央に位置する基幹・中核病院として、県内の隅々まで良質で安心・安全な医療を提供していくことを表しています。
立山連峰(県章)から、米どころ富山平野(グリーン)を経て、神秘の海富山湾(ブルー)に至る富山県の地勢を象形したデザインにもなっています。
また、3つのCには当院の理念である「やさしさ」「信頼」「安心」の思いも込められています。

引用:富山県立中央病院のロゴマーク(富山県立中央病院)

◆独立行政法人 国立病院機構 西別府病院

ロゴデザインテーマ:生命・健康/地域/やさしさ・あたたかさ

西別府病院の頭文字「N」をモチーフに、「命の輝き」、「人のあたたかさ」、「豊かな自然・別府」をデザインし、発展する病院の願いを表現した。
「赤色」:燃える太陽と命の輝き・生命力
「黄色」:あたたかさ・希望・幸福を象徴する色であり、「N」に伸びやかに手を拡げ躍動する人物
「緑色」:豊かな自然と癒しの別府温泉・安らげる病院
「水色」:美しい別府湾・澄み切った温泉 をイメージ

引用:ロゴマークについて(独立行政法人 国立病院機構 西別府病院)

◆地方独立行政法人 神戸市民病院機構

ロゴデザインテーマ:地域/生命・健康/未来・発展

神戸市の頭文字「K」を港によせる波とカモメで表現しています。また、カモメが医療を意味する「十字」を抱いて飛び立つ姿は、「市民の生命と健康を守る」という神戸市民病院機構の基本理念と健康を取り戻した患者さんが未来へ飛び立つ姿をあわせて表現しています。また、色については、青と緑で、神戸の海と山を表現しています。

引用:シンボルマーク(地方独立行政法人 神戸市民病院機構)

◆名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院

引用:地域/未来・発展

「緑」が「みどり」と平仮名に改称されたことを強調するため、「み」から図案。文字の存在感を出し過ぎないよう、90 度時計回りに回転させて、花のイメージを作った。花は誰にも語りかけ、誰の心も元気にさせる、病院に相応しいモチーフと思う。胸を張ったような凛々しい姿は、医療で地域を支える自信と、ケアシステムの発展を象徴。茎から花にかけ、くるりと大きく結びを作ったラインは地域の包括や、地域との調和を象徴している。葉は両手を広げ、地域の方々をお迎えしている。花は「診る心」「学ぶ心」とともに、地域医療へ貢献する「ケアの心」という思いを込め、ハートの形にした。

引用:名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院 ロゴマーク 結果公表(名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院)

◆岡崎市民病院

ロゴデザインテーマ:地域/病院と患者の関係性/生命・健康

「無限」のマークが重なり合い、岡崎市の「桜」の5弁やどんな人でも受け止める両手を広げた人が見えてくるロゴマーク。真ん中にはハートがあり、医療の中心に人の心があるとする地域医療のアイデンティティを感じ、温かみを感じるデザインに。「無限」は続いていく命を象徴し、岡崎の「花火」や太陽のように人々を照らす光になる様に願いを込めた。

引用:病院ロゴについて(岡崎市民病院)

◆国保中央病院

ロゴデザインテーマ:地域/生命・健康

4町 をイメージした四つのシンボルが交わり一つになる様子をシンボライズしたデザイン。加え、このシンボルは心身の健康や安らぎ、幸せを表現したクローバーをモチーフにしています。全てのパーツを円のみで表現し、時代に左右されない汎用性と、視認性を意識しています。

引用:当院ロゴマークについて(国保中央病院)

◆小樽市立病院

ロゴデザインテーマ:地域/信頼/安心・親しみ

小樽の「小」を表すとともに、市の鳥「アオバト」を表現したマークです。丸は人を表し、想いをのせて大空に舞う鳥をイメージしています。3 本の線は「信頼」「親しみ」「社会貢献」を象徴し、配色は小樽の豊かな海、山を意味しています。

引用:小樽市立病院のロゴマークが決まりました(小樽市立病院)

◆医療法人社団藤聖会 富山西総合病院/富山西リハビリテーション病院

ロゴデザインテーマ:生命・健康/地域

ココロノ森 健康ノ種
地域の人びとの「ココロの森」となることをめざす病院のロゴマークです。
楕円状のさまざまな形状は植物の種=健康の種を表し、病院が提供するさまざまなサービスを表現しています。全体のフォルムとWは、二つの病院を意味するとともに、豊かな富山の自然を代表する立山も表現しています。さまざまな種が空に向かって広がる様子は、広く地域に開かれた病院であることをイメージしています。健康の種が、やがて木となり森となり、大きな実りを地域にもたらす願いがこめられています。
カラーコンセプト
命の水を吸い上げ、緑の葉を茂らせ、やがて豊かな実(=健康)を得ます。
その過程を3つのカラーで表現しています。

引用:ロゴマーク(医療法人社団藤聖会 富山西総合病院/富山西リハビリテーション病院)

◆大阪大学医学部附属病院

ロゴデザインテーマ:未来・発展/飛翔・飛躍

医学部の伝統的なイメージと、高度で安全、快適な医療を実現する阪大病院の未来的なイメージを掛け合わせたものです。大阪大学の伝統的な意匠は“スカイブルーの銀杏”ですが、この銀杏の葉を翼に見立て、飛躍、羽ばたきを表すとともに、阪大病院の6つの部門および専門外来・中央診療施設をネットワークで繋ぎ、患者さんを支える様子を描いています。

引用:阪大病院のロゴマークができあがりました(大阪大学医学部附属病院)

◆社会医療法人財団白十字会

ロゴデザインテーマ:未来・発展/病院と患者の関係性

「hakujyujikai」の頭文字の「h」を未来に羽ばたく羽根のようにデザインし、市民の皆様や患者さんを表す3つの丸を優しく見守っています。羽根の中心には、白十字を置き、私達職員の職業精神の基本であり、誇りを表しています。 「h」は、heart(心)、hospitality(親切なおもてなし)、human(人間らしさ)、health(健康)を表し、健康に寄与する私たち白十字会職員の統一した意思を象徴しています。

引用:白十字会ロゴについて(社会医療法人財団白十字会)

◆名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院

ロゴデザインテーマ:未来/先端医療

「みらい」の「M」とも「光生」の「K」とも連想でき、かつ百寿社会に資する先端研究を行う優れた医療人を育成…と言う理念を重要視しヒューマンライクなデザインとしました。 また、全体のイメージとして、光り輝く太陽や広がる未来を、様々な世代の人達に感じてもらえることをテーマに考案いたしました。

引用:名古屋市立大学医学部附属みらい光生(こうせい)病院 ロゴマーク 結果公表(名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院)

◆市立室蘭総合病院

ロゴデザインテーマ:輪・和/信頼/飛翔・飛躍

3つの輪の繋がりと世界への飛躍
「人」の輪・「信頼」の輪・「情報」の輪 地域から日本へ、そして世界への飛躍
この度、当院の目指す方向性を明確に示すシンボルとして、ロゴマークを作成いたしました。全ての基本となるのは「人」の繋がりです。そこから「信頼」が生まれ、「情報」の繋がりが生まれます。また私たちの室蘭は海に囲まれた風土にあり、私たちの生命の起源も「母なる海」にあるといわれています。そこで3つの輪は深く・優しく・起源となる「母なる海」をイメージしたブルーといたしました。
そして当院が室蘭を起点として海を超えて世界へ飛躍するイメージを右上に伸びる矢印とラインで表現しています。矢印のオレンジは情熱的・活動的に飛躍するイメージを表現しています。

引用:ロゴマークの紹介(市立室蘭総合病院)

◆医療法人誠和会

ロゴデザインテーマ:輪・和/病院と患者の関係性

SEIWAの「S」とひらがなの「わ」を表現
「わ」=医療・福祉・介護ネットワークの「わ」()、(職員、知己、患者さんとの)協調・調和および一体の「わ」(輪)、誠和・なごみの「わ」()、「わ」をもってみる医療、福祉、介護そして地域

引用:ロゴマークデザイン制定(医療法人誠和会)

◆独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院

ロゴデザインテーマ:協力・支え合い

緑色をイメージカラーの採用し、手と手を取り合う様子をモチーフに組み込んで、共に協力し合う姿を表現しました。

引用:熊本労災病院 『新ロゴマーク』のお知らせ(独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院)

◆京都大学医学部附属病院

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性

「KUHP」は、京都大学医学部附属病院(Kyoto University Hospital)の頭文字です。「H」を白抜きで表現することで、健康時には関わり合いがなくても、病気や事故などで必要とされるときには「H=Hospital(医学部附属病院)」が支えになれるようにとの願いが込められています。「H」の2つの矩形は、スタッフと患者さんが互いにきちんと向き合う様子を表現しています。

引用:医学部附属病院 ロゴマークデザインが決定しました。(京都大学医学部附属病院)

◆東北大学病院

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性/生命・健康

ハートの形をベースにし、流動性、先進性を表現しております。ハートの二つの変形楕円は、病院と患者との親密なかかわり、医療との密接な関係性を表現しています。また、紺色の球体はエネルギーの上昇と共に、冷静な頭脳を意味します。熱いハートと冷静な、誠実な頭脳を併せ持つ東北大学病院の医療の場における存在感を的確に表現したマークです。メインカラーは医療にとって最大のテーマである生命(患者)そして血液を表現し、希望と情熱をも意味します。サブカラーは誠実・勤勉を表現しています。

引用:基本理念と将来構想(東北大学病院)

◆愛知県精神医療センター

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性

黄緑色の球は患者さん、黄色と水色の2本の輪は知恵、球と輪を下から包む青色の葉は病院職員の手を表現しています。「病院職員が知恵と工夫を加えて、患者さんの回復をお手伝いする」という病院の姿勢を表現しています。

引用:ロゴマーク(愛知県精神医療センター)

◆JA北海道厚生連 帯広厚生病院

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性/地域

帯広厚生病院を象徴とするこのロゴマークは、「よりよい医療」を提供すべく、医療関係者や患者さまの生の声を宝物のように拾い集め、ブラッシュアップし築きあげてきた病院の姿を表現しています。
さらに、病院の方向性を司る3本柱「高品質な医療」、「医療人の育成」、「環境への配慮」を形にし、とかち野の「空」、「平野」、「大地」を3色で表現しています。

引用:ロゴマーク(JA北海道厚生連 帯広厚生病院)

◆国立病院機構 渋川医療センター

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性/地域

渋川医療センターのイニシャル『S』をモチーフにデザイン化。
色はグリーンとブルーを使用して患者と医療を表現、また「患者を支える医療(信頼関係)」、「地域医療の連携」をイメージ。
全体で安心安全かつ良質な医療を提供する渋川医療センターを親しみやすくシンボライズ。

引用:渋川医療センター(西群馬病院)のロゴマークが決定しました(独立行政法人 国立病院機構)

◆松戸市立総合医療センター

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性/生命・健康/安心・親しみ/協力・支え合い

松戸市立総合医療センターのイニシャルであるMをベースに、基本理念にある“すべての人に「来てよかった」と思われる病院”から連想される生命・優しさ・安心感をハートの形で表現しました。また、8つの基本方針を実践し、地域の中核的な病院としての役割を果たしていくには、人と人との繋がりが根底にあると連想し、人が支え合う姿もイメージしました。

引用:ロゴマークについて(松戸市立総合医療センター)

◆東京大学医学部附属病院

ロゴデザインテーマ:病院と患者の関係性/先端医療

向き合っているのはヒューマンの「h」と、ホスピタルの「h」。人と医学・医療がしっかり向き合ってこそ、最先端の医学を研究・教育することも、それに支えられた安全・安心の医療を実践することもできるようになるという、東大病院の考えをシンボルマーク化しました。当院と病気で悩む人が、しっかり向き合い座っている椅子を感じさせる「h」と「h」の間には、「東大病院」の頭文字「T」も見えてきます。このシンボルマークを通して、病気で悩む一人ひとりと向き合い、世界最高レベルの医学・医療を提供し続けることを、東大病院は宣言いたします。

引用:コミュニケーションマーク(東京大学医学部附属病院)

4.差別化できる医療ロゴのデザイン・作り方

前節では、医療ロゴを作る上で最低限押さえておくべきデザインテーマについて解説してまいりましたが、ここではいよいよ他者と差別化できるロゴのデザイン・作り方についてです。

差別化を行うためには、その医療機関が持つ特有の「個性」をロゴに与える必要があります。そしてその個性とは何かと言うと、開院時に掲げた「想い」や「理念」に他なりません。何のために、どんな目的で、誰のために病院・クリニックを開院したのか、医療ロゴを作る際は、そのことを今一度思い出すことが重要となるのです。

ここではそのことが実感できるよう、実際の制作実例で見て頂きたいと思います。前節で解説した最低限押さえるべきロゴデザインテーマに、どのように「個性」が上乗せされているか確認頂ければと思います。ご紹介する実例は、千葉県にある「医療法人社団 至玄清秀会」です。

3代目院長の想いから始まったロゴ制作

跡を継ぐことがきっかけに

ロゴ制作をご依頼くださったのは、千葉市緑区の土気(とけ)という町にある篠崎医院の3代目院長、篠崎夏樹先生でした。お父様の跡を継ぐため生まれ育った町へ戻り、医院の現状とこれからについて向き合いはじめたところ、というタイミングでsynchlogoへお声がけくださいました。

これまで医院や医院が所属する法人(医療法人社団 至玄清秀会)にはロゴらしいロゴはなく、後を継いだのを機にリブランディングしたい、という思いももちろんあったそうです。しかししっかりお話を伺うと本質はそこではなく、同医院には地域において担うべき役割や責任があり、そこからロゴデザインを紐解いていかなければならないことが徐々に明らかになっていったのでした。

▲リニューアル前の篠崎医院の姿(左)と近隣の駅にある広告看板(右)

篠崎医院が担う役割とは

一般的に医院(診療所)が担う役割は、いわゆる「病院」が担うそれとは異なります。病院とは、主に命に関わる急性期疾患の患者がかかるところで、医院や診療所は一般疾患や、症状は落ち着いていても継続して治療が必要な慢性期・回復期疾患の患者がかかるところです。簡単に言うと、救急車で運ばれたり入院したりするところが病院で、風邪などの日常の病気やちょっとした怪我を治してもらうところが医院、と考えればよいでしょう。

つまり医院や診療所は地元住民がお客様(=患者)であり、読んで字の如く、「地域医療」という役割を多かれ少なかれ担っているのです。
そしてこの篠崎医院をはじめとする医療法人社団 至玄清秀会は、リハビリや訪問看護まで手掛け、包括的に地域住民の生活をサポートする“地域のかかりつけ医”として80年余り地域を支え続けてきたのでした。

持続的な地域医療を見据えて次の世代へ

この至玄清秀会がある土気町という場所は、比較的高齢化が進んでいる地域で、今はそのご高齢の方々から頼りにされているという状況ではあるけれど、持続的な地域医療を見据え、できるだけ早い段階で次の世代からも頼りにされる存在にならなければならない、という想いを院長はお持ちでした。

その想いをロゴで表現しなければならない。
これが至玄清秀会のロゴデザインのスタートでした。

院長の想いを込めた、病院の顔となるロゴデザインへ

対話を重ねる中で、院長先生ご自身が改めて今の病院の状況と向き合い、ロゴデザインに込めるべき想いを2つのキーワードに整理してくださいました。それは、一つは【継承・継続性(=時間軸)】を大切にしていきたいということ。もう一つは隣接地区への展開も見据えた【地域との調和(=地域軸)】が必要だということ。土気の地域医療を担い続けるためには、この2つが至玄清秀会の存在意義である、というのが結論でした。

その想いをモチーフや図形といった具体的な形にするために、この2つのキーワードにより深い解釈を与えてみました。

【継承・継続性】=人から人の手に渡る。人から人の手に受け継がれる。
【地域との調和】=地域の方々へ手を差しのべる。手を取り合う。

ここで2つのキーワードにある共通点が見えてきました。それは、いずれも欠かすことができないのは「人と人との繋がり」で、その繋がりこそが地域医療そのものだということに気付けたのでした。

「地域医療=人と人の繋がり」をコンセプトに、どのような形が至玄清秀会に最もふさわしいかを考えていきました。検討を重ねるうちに浮かび上がってきたのが「人と人が手を繋ぐ姿」をモチーフにしたラフデザイン案でした。

人と人が手を繋ぐ姿が一目で分かるシルエットで、さらにそれを分解すると「継承」や「調和」という院長先生が示してくださったキーワードを表す図形にもなっているという工夫も凝らしています。

ロゴから生まれたブランドデザイン

院長先生の想いの根源にあった「人と人の繋がり」を体現したロゴデザインは、院にまつわる様々なツールに使われるだけでなく、それらツール自体のデザインにも影響を与えていきました。

ロゴで練り上げたデザインコンセプトが、診察券や封筒、パンフレットや看板などでも踏襲して使われ続け、地域の方々の目に触れるあらゆるところに今なお広まっているようです。

こうして至玄清秀会のブランドとなった院長先生の想いは、この先も着実に地域へと根付き、長く受け継がれ続けていくことが期待できそうです。

5.おわりに

いかがでしたでしょうか。
差別化できる医療ロゴのデザイン・作り方は分かりましたでしょうか?

実際に病院・クリニックのロゴを作る際は、このコラムで解説したことを振り返れば、きっと良いロゴを作ることができると思います。

世の中や地域にアピールできる、個性的な医療ロゴをしっかり作っていきましょう!

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