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COLUMN
河本楼(個人事業)
2020年10月~2020年11月(約30日)
富山県砺波(となみ)市、 砺波駅から徒歩5分の場所に開業した民泊のお宿。
このお宿は元々明治時代に創業した料亭で、往時は政治家や学校の校長先生、金融機関の方などが贔屓にしており、他に聞かれたくない話が出来る貸し切りの場所として地域の方々に愛され栄えていたと言い伝えられてきたそうです。
その建物は昭和初期に地元産の一本杉を使って建てられた由緒あるもの。空き家になってしまっていたその貴重な建物をリノベーションし、民泊として蘇らせるというプロジェクトでした。
そしてこのプロジェクトにはもうひとつ大切な意味がありました。それはお宿につけられた「河本(かわもと)」の名に由来しています。
「河本」はオーナーである水上伊都子さまの旧姓であり、今回民泊として再生した建物は河本家が代々継承してきたものでした。しかし継承する直系のご家族が女性しかおらず、地域に深く根付いていた「河本」の家名が自分の代で失われて欲しくない、という想いを水上さまはお持ちでいらっしゃいました。
そこで、せめてその家名が冠された元料亭「河本楼」の記憶を、民泊「河本楼」として現在の時流にフィットした形で蘇らせ、地域のために、また地域の誇りとして未来へと長く受け継がれるようにしたいと考えたのでした。
「河本楼は、砺波で生まれ育った人や縁のあった方がゆっくり気持ちよく時間を過ごしてもらう場所として手入れし、磨いていきたい。」
そんな想いと共に、このプロジェクトはスタートしました。
受け継いだ建物は、外からは中の部屋や雰囲気が全く分からない造りであるのが特徴で、ご近所の方に内見して貰った際も「こんなに広い部屋があるなんて知らなかった」と驚かれたそうです。その部屋の広さを活かした施設改修を既に着手していた新河本楼は、昔の建物の古き良き部分や料亭ならではの良さをそのまま残しつつ、住み心地が良くなるように手を加え、まるでタイムスリップしたかのような非日常的な時間が楽しめる、そんな空間づくりを目指して着々と改修工事が進められていました。
そんな中、水上さまが目指した新河本楼のあり方は、「『秘密の隠れ家』『プライベート空間』というコンセプトを守ることが、料亭時代でそうであった、地域の中での河本楼を継承することにつながる」というもの。
ロゴデザインのコンセプトは考えるまでもなく、既にこのプロジェクトの中で育てられていたことに気付かされた瞬間でした。
こうして背景を紐解くにしたがって、ロゴのデザインは自然と輪郭を帯びていきました。
河本楼の名前と共に、家名の記憶である「家紋」を用い、
凛とした料亭の空気を感じさせる「お宿」としてのデザイン。
「民泊」いうと、従来の法改正・民泊新法の制定に伴い一気に増えていった簡易的な宿泊所を連想する方が少なくないと思いますが、河本楼はそれらとは一線を画す宿泊施設として作られています。羽釜風呂、格天井、庭のある静かな空間などで作りこまれた、非日常的な時間を過ごしてもらえる場所。それを一日一組限定で、戸建てをまるまる貸し切りにするという贅沢さを売りにした新しい形の民泊なのです。
ご家族が帰省された時のお宿、砺波駅周辺で美味しいお酒とお料理を楽しんだ後のお宿として、あくまでも地域に根付いた施設としての再生。
そんなお宿のロゴは気品と風格に溢れたものが相応しいと感じ、堂々とした佇まいを意識してデザインしました。
下手な小細工など必要のない、背景の奥深さによって自然と紡ぎ出されたロゴデザイン。
リニューアルしたお宿と共に、長く地域に愛されることを願っています。
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