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コンペで良いロゴを作るにはどうしたらよいか?

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指名もしくは公募によるコンペでロゴが作られるのは昔から珍しくありませんでしたが、自治体や公共団体、大規模なイベント関係で行われることがほとんどでした。最近では2020年の東京オリンピックや2025年に開催する大阪万博のロゴがコンペで決定したことはよく知られているのではないでしょうか。

現在はクラウドソーシングの普及により、個人で誰でも簡単にコンペでデザイン案を募ることができるようになりました。デザインが限られた人達だけのものではなく、クラウドソーシングによって多くの人にとって身近なものになるのは良いことだと思う一方、コンペロゴを作るやり方は通常の制作方式とは異なる点が多くあり、良いロゴを作るにはコンペならではのやり方を知っておく必要があります。

そこでこのコラムでは、コンペで良いロゴを作るにはどうしたらよいか、ロゴコンペの特徴や実態を整理しながら紐解いていきたいと思います。

【目次】

1.通常の制作方式とコンペ方式の違い
2.コンペ方式にするメリットとデメリットについて
3.コンペの応募動機は「名誉」「賞金」以外もある
4.クラウドソーシングのロゴコンペで良いロゴは作れるのか?
5.おわりに

1.通常の制作方式とコンペ方式の違い

まずは通常の制作方式とコンペ方式の違いについて整理していきましょう。
依頼先、制作者数、デザイン提案数の数、制作者との対話、イメージの伝え方、デザインの決定方法、制作期間、制作費用について比較してみました。

通常の制作方式コンペ方式
依頼先・制作会社やデザイン事務所
・ロゴ制作サービス
・個人のデザイナー
・コンペの当選者
(コンペ開催は自力で行うか、
クラウドソーシングを利用)
制作者数1人もしくは数人数十人~数百人
(開催するコンペの規模による)
デザイン提案の数数案~数十案数十案~数百案
(開催するコンペの規模による)
制作者との対話ありコンペ終了までできない
イメージの伝え方打ち合わせ等で制作者に直接伝える応募要項によって伝える
デザインの決定方法制作者と議論しながら決めていく応募案の中から選ぶ
制作期間希望の納期に合わせてスケジューリング希望の納期に合わせてコンペ締め切りを設定
制作費用見積もりにて決定賞金を報酬として設定

特に異なる点は「デザイン提案の数」と「制作者との対話」ではないかと思います。通常の制作方式は対話や議論を繰り返すことによって少しづつ正解を見つけていくやり方なのに対し、コンペ方式はたくさんの案を見ることができる代わりに、イメージ通りのデザイン案が出てこない可能性もあり得るのです。すなわちある種のギャンブル性を伴うのがコンペ方式だといえるでしょう。

2.コンペ方式にするメリットとデメリットについて

次に、上記の表も踏まえながら、コンペによるロゴづくりのメリットとデメリットについて整理していきたいと思います。

メリット

たくさんのデザイン案が見られる
コンペと言えば、多数のデザイン案を集められるのが最大のメリットでしょう。募集要項に書かれてあるテーマやコンセプトに対して様々な解釈をし、そこから人それぞれの様々なデザインが生み出されます。あえてテーマやコンセプト設定を漠然としたものにすることによって、思いもつかないようなアイデアによるデザインを期待するのも良いでしょう。

賞金(報酬)の額をクライアントが決定できる
通常のロゴ制作では、デザイナー側から提出された見積もりを見て、協議の上で制作費が決定されるものですが、コンペはクライアントが主催するものですので、報酬となる賞金額をクライアントが自由に決めることができます。上手くいけば、通常の制作をした場合にかかる費用より安くなることもあり得るでしょう。

話題づくりができる
規模次第ではありますが、コンペをイベントのように扱い、様々な媒体に上手く載せることができると、コンペ自体が話題となりプロモーションの働きをしてくれることがあります。自治体や公共団体のロゴコンペでは、子どもからも案を募集をするなど、まさにイベント的に開催しているところも多く見られます。

デメリット

賞金の額によってデザイン案の量・質が大きく左右される
主催者が自治体や公共団体、有名な企業や商品といった、世の中に知られるようなロゴコンペであれば、デザイナーが応募する動機は「名誉」の獲得ですので、賞金の額はさほど影響しないかもしれません。しかしクラウドソーシングで開催するような類であれば、デザイナーが応募する動機は賞金でしかないです。そしてデザイン案の応募数や提案されるデザインの質はこの賞金の額に大きく左右されます。高ければ高いほど多くの応募があり、デザインの質も上がってくるでしょう。しかし1万円や2万円程度では、真剣に取り組むデザイナーはあまりいないと思われます。特にクラウドソーシングを主な収入源としているデザイナーは、1日に何件も、1年で何百・何千ものコンペに応募しています。ですので1件1件のコンペに対して「獲るぞ!」という意気込みはなく、当選するかどうかは運任せのような、まさに「下手な鉄砲数撃てば当たる」のやり方で取り組んでいるのです。

期待していたものとは違うデザインが出てくる可能性もある
コンペは、出てきたデザイン案の中から選ぶ、ということしかできないものですので、期待していたものとは違うデザインが出てくる可能性も大いにあります。デザイナーと対話しながら作り上げるやり方であれば、何度も意見を交わして、100%満足がいくまで突き詰めることが可能ですが、それはコンペではできません。募集要項に細かくイメージを書けば、期待外れのデザイン案は少なくなると思いますが、その代わりに似たような案ばかりが応募され、期待を超えるアイデアはまず出てこないと思われます。

ハイレベルなコンペにするのが難しい
指名のコンペであれば一定レベル以上のデザイナーだけを集めることもできるでしょう。しかしクライアント自らがデザイナーを探すのはかなりの労力がかかりますし、またそれなりに実力のあるデザイナーを集めるのであれば、賞金の額も相応のものにしなければなりません。ですので多くの場合は公募型のコンペにする訳ですが、「受賞歴があるデザイナー」「〇〇の制作実績があるデザイナー」などの応募条件を付け、一定水準以上のデザイナーからのみの応募を得ようとすると、これもまた相応の額の賞金が必要となります。コンペをハイレベルなものにするには、「名誉」か「高額の賞金」のどちらかが必要になるのです。ちなみにクラウドソーシングでのコンペがハイレベルなものにならない理由はそこにあります。

3.コンペの応募動機は「名誉」「賞金」以外もある

ここまでの整理で、デザイナーのコンペ応募動機は「名誉」「賞金」しかないように感じるかと思います。しかし世の中にはその動機に応えられなくとも、それなりに応募数を集めているコンペも存在するのです。ではデザイナーはそういったコンペにどんな動機で応募しているのでしょうか。

社会貢献のため

コンペの開催自体にに社会的意義などがある場合、デザイナーは「少しでも力になれれば」という気持ちで応募することがあります。仮に当選・入選すればそれは「名誉」にももちろんなり得るのですが、そのような下心で応募するデザイナーは少ないと思います。コンペの目的が達成できるよう、また盛り上がるようになど、仕事とは違う意識でコンペに取り組む時も意外とあるものなのです。

自分の力量を把握するため

自分の今のデザインの力量を客観的に把握するのはなかなか難しいものです。異なる案件の成果品を比較しても、どちらの方がデザイン力が上か判断できるものではありません。それに対しコンペは1つの題材に対してたくさんの異なる提案がなされる訳ですから、仮にその応募案が全て公開されれば、自分のデザイン案が他者より優れているか劣っているかを比較することができます。クラウドソーシングのコンペなどは募集終了後に公開されるものが多いので、経験の浅いデザイナーが多く応募するのもそういった理由もあるからだと思われます。

腕試しのため

普段関わることのない業種や規模の案件がコンペになった時は、自分がどの程度やれるかを試す良い機会だと考えて応募するデザイナーもたくさんいます。実際に案件に対峙しなければ気づけないことは多くあるため、自分のデザイン力がどの程度通用するかを知るチャンスと捉えて応募するデザイナーも多くいます。

実績作りのため

お客さんがデザインの依頼をする際は、デザイナーの制作実績の質や量をまず見ます。ですので経験年数が少ないデザイナーほど、早く制作実績を積み重ねたくなるものです。仕事の獲得に恵まれないデザイナーなどは、架空の案件で作ったデザインをポートフォリオに載せ、自分のデザイン力を知ってもらおうとすることもあるほどです。しかし架空の案件はやはり説得力に欠けることから、コンペは手っ取り早く実案件の制作実績が得られるチャンスだと考えて応募することも多いのです。

4.クラウドソーシングのロゴコンペで良いロゴは作れるのか?

大企業や行政など、予算や労力が確保できるところであればしっかりしたロゴコンペの開催は自力でも可能かもしれませんが、一般企業や個人だとなかなかそうはいきません。そこで手軽にコンペを開催したいとなると、頼るのはやはりクラウドソーシングということになると思います。

近年、加速度的に普及しているクラウドソーシングですが、その歴史はまだまだ浅く、「クラウドソーシング」という言葉が生まれたのは2005年、日本でクラウドソーシングサービスが始まったのは2008年で、実はまだ20年も経っていないのです。ですので仕組み上未成熟な部分も多いため、クラウドソーシングについて詳しく知らない人はまだまだ多いのではないでしょうか。

そこで最後に、クラウドソーシングのロゴコンペは実際どうなのか?というところを、クラウドソーシングでロゴコンペを開催したことがある人(以下「発注者」)、コンペに応募したことがある人(以下「受注者」)に話を聞き、その実態をまとめてみました。

◆ヒアリング対象者
【発注者】:某コンサルタント事業を1人で営む経営者。3回ほどロゴコンペの発注経験あり。
【受注者】:グラフィックデザイナー歴10年、クラウドソーシング歴5年のフリーランスデザイナー。クラウドソーシングの他、広告代理店等からも仕事を受注している。

質問①:なぜクラウドソーシングを利用しようと思ったのか?

【発注者】
ロゴを作りたいと思ったのだが、ネットやSNSで調べても、誰に頼んでよいか分からず、それならコンペにしてたくさん出てきた案の中から自分で選んだ方が良いかなと思ったからです。また予算的な事情もありました。

【受注者】
広告代理店からの仕事だけでは収入が不十分かつ定期的に得られないため登録しました。個人で10年グラフィックデザインの仕事をやってきたので、登録時はそれなりに自信はありました。

質問②:費用/報酬についてはどうですか?

【発注者】
かかる費用は、基本的に採用案となる最優秀賞および次点の優秀賞の賞金だけです。その他追加料金を支払えば、提案を非公開で行うことができるようになるなどのオプションもあります。費用の相場はピンキリで、下は5,000円から上は100,000円くらいです。

【受注者】
報酬は基本的に賞金になります。最優秀賞で数千円から数万円、優秀賞で数千円もらえる程度です。応募概要に書いてある賞金から20%は運営者に手数料として持っていかれます。

質問③:応募数についてはどうですか?

【発注者】
設定する賞金額によって変わります。安ければ少なく、高ければ多いです。十数件から、多ければ数百案集まることもあります。ただ、同じ人がいくつも案を応募できるので応募者数にはバラつきがあると思います。
また応募要項の書き方もポイントになるようです。こんな形にして欲しいとか、参考にして欲しい事例などを挙げるとたくさん応募が集まるようです。応募デザイナーがロゴ案を作りやすくなるからではないでしょうか。

【受注者】
賞金が高ければ高いほど応募数が多く、ライバルが増える感じです。安いコンペだと応募数が少ないので当選確率は高くなりますが、デザイン案を作るのにあまり時間をかけたくないのが正直なところです。逆に高いコンペはめったに当選しないので敬遠することもしばしばです。当選しやすそうな案件を見極めるのも大事になってきます。

質問④:提案のクオリティについてはどうですか?

【発注者】
かなりピンキリなように感じます。ちゃんとデザインしたような案もあれば、素人の方が練習用に作ったような案までありました。また応募要項をきちんと読んで、こちらの意図を理解して提案してくれる方もいれば、無視して好き勝手な案を作ってきたような方もいました。

【受注者】
基本的には応募要項をきちんと読んで提案しているつもりですが、クライアントと直接会話している訳ではないので、何を求めているのかよく分からないこともあり、その時は自分のイメージで作っています。公募のコンペに出すこともありますが、それに比べると正直こちら(クラウドソーシング)ではそこまでの時間はかけていません。

質問⑤:クラウドソーシングでロゴコンペをやってみた感想はどうですか?

【発注者】
とりあえず何でも良いからロゴが欲しい、という時には便利だなと思いました。自分がイメージしたものを作ってもらう時などは、やはりきちんとした打ち合わせが必要だと分かっているので、新しい事業用に手軽にロゴを作りたい時に利用するようにしています。ちなみに会社のロゴは以前知り合いのデザイナーに直接発注して作ってもらいました。

【受注者】
始めてからしばらくして、「これは当選するのは運ゲーだな」というのはすぐに気づきました。自分が落選した時の当選案を見ると、なんでこんな案が当選するの?と思うことがしょっちゅうあったので・・・。もちろん極端にレベルの低い案が当選しているのは見たことないですが。
そんな感じなので、流れ作業的に案を作って応募することも多々あります。とてもこれだけで生計を立てるのは不可能なので、当たればラッキーくらいの気持ちで取り組んでいるのが正直なところです。

いかがでしたでしょうか。
ロゴづくりをコンペで行いたいと考えている方の参考になれば幸いです。

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