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BASFのロゴはなぜ抽象的なのか|2つの正方形に込められたブランド思想と設計戦略

世界最大級の化学メーカーであるBASFは、事業領域の広さや企業規模の大きさとは対照的に、極めてシンプルで理性的なロゴを採用しています。そのロゴは派手さや分かりやすさを競うものではなく、長期的なブランドの信頼性と企業姿勢を静かに伝えるための「設計された装置」と言える存在です。本稿では、BASFの企業特性とロゴの役割、デザインの設計的特徴、そしてロゴが伝えようとしている価値観について整理します。

企業の在り方と、ロゴに求められたブランディング上の役割

BASFは1865年に創業し、基礎化学から高機能材料、農業、ヘルスケアまで幅広い分野をカバーするグローバル企業です。このように事業が多岐にわたる企業において、ロゴに製品内容や技術分野を直接的に描き込むことは、かえってブランドを分断させる要因になり得ます。

そのためBASFのロゴは、「何を作っている会社か」を語る役割を担っていません。代わりに担っているのは、「どのような姿勢で社会や顧客と関わる企業なのか」を示すことです。太く安定感のあるワードマークは、長い歴史の中で積み重ねてきた技術力と信頼性の象徴であり、ロゴに組み合わされたタグライン「We create chemistry」は、BASFが単なる素材供給企業ではなく、関係性や相互作用を生み出す存在であることを補足的に伝えています。

ここで注目すべきなのは、ロゴが理念を雄弁に語らない点です。理念は言葉で、ロゴは態度で示す。その役割分担が、BASFのブランド全体に一貫した落ち着きを与えています。

ロゴデザインに見られる設計上の工夫と差異化

BASFのロゴを構成する要素は、「BASF」のワードマークと、その左側に配置された2つの正方形です。一見すると非常に抽象的で、装飾性はほとんどありません。しかし、この2つの正方形こそが、BASFのブランド哲学を最も端的に体現している要素です。

公式ガイドラインによれば、互いに鏡像関係にある正方形は「パートナーシップとインテリジェントなソリューション」を象徴しています。上下関係や主従関係ではなく、対等な立場で向き合う関係性を、極めて理性的な形状で表現している点が特徴です。円のような感情的・包括的な形でもなく、三角形のような方向性を持つ形でもない正方形を選んでいること自体が、BASFの合理性と構造志向を示しています。

また、ロゴ自体には色の意味を持たせていません。ロゴは黒または白で使用され、色は背景に委ねられます。これにより、どの国・どの事業・どの媒体においてもロゴの識別性が保たれ、同時に背景表現によって多様な文脈を受け入れる柔軟性が生まれています。多くの競合企業が分子構造や象徴的モチーフをロゴに取り入れる中、BASFはそれらをあえて排除し、抽象度の高い記号に徹することで、長期的に陳腐化しない設計を選択しています。

ロゴが伝えようとしている価値観と、ブランドへの寄与

BASFのロゴが伝えている最大のメッセージは、「変わらない姿勢で関わり続ける」という企業の態度です。事業内容や社会課題が変化しても、ロゴの基本構造は長年ほとんど変えられていません。これは、短期的なトレンドに左右されないこと自体を価値とする、BASFの企業文化の表れです。

一方で、ロゴの使われ方は常に更新されています。背景となる色や写真、グラフィック表現によって、ロゴはさまざまな産業や社会課題と結びつき、新たな意味を獲得してきました。ロゴを「完成された象徴」として固定するのではなく、「意味を受け止める器」として設計している点が、BASFのブランド展開の本質と言えます。

2つの正方形は、BASFが常に誰かと向き合い、共に価値を生み出す企業であることを無言で示し続けています。その静かな一貫性こそが、巨大で複雑な企業でありながら、世界中で信頼されるブランドとして成立している理由です。BASFのロゴは、装飾ではなく設計によってブランドを支える、極めて完成度の高い事例と言えるでしょう。


※ロゴ画像引用元:http://www.basf.com/
※本記事はデザインの研究・考察を目的として公開しており、権利を侵害する意図はございません。

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