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ロゴコラム

COLUMN

Hamburg School of Ideasのロゴが示す「考え続ける姿勢」──思想を定着させるための視覚設計

ロゴを読み解く際、私たちは無意識のうちに「分かりやすさ」や「説明性」を基準に評価してしまいがちです。しかし、扱う価値が製品やサービスではなく、「思考」や「態度」そのものである場合、ロゴに求められる役割は大きく変わります。
Hamburg School of Ideasのロゴは、まさにその典型です。一見すると抽象的で、即座に意味を断定できないこのロゴは、見る者に対して理解を強要するのではなく、解釈の余地を残すよう設計されています。そこには、教育機関として「何を教えるか」以前に、「どのように考えるか」を共有しようとする明確な意思が感じられます。
本稿では、このロゴを装飾的なデザインとしてではなく、思想を定着させるための設計物として捉え、その構造と意図を段階的に読み解いていきます。

企業概要とロゴの役割

Hamburg School of Ideasは、ドイツ・ハンブルクを拠点とする教育・研究系の組織です。名称が示す通り、この組織が主題としているのは、特定のスキルや専門技術ではなく、「アイデア」や「思考のプロセス」そのものです。デザイン、ビジネス、社会、文化といった複数の領域を横断しながら、問題をどう捉え、どのように問いを立てるのかという、思考の根本に向き合う立ち位置を取っています。

このような組織において、ロゴの役割は極めて特殊です。学校名を覚えさせるための目印や、権威を示す紋章として機能するのではなく、「ここでは、どのような思考態度が求められるのか」を視覚的に共有するための装置として存在しています。
つまり、このロゴは外部への広告以上に、内部に向けたメッセージとしての性格を強く持っているのです。ここに集う人々が、どのような前提で思考を始めるべきか。その起点を、言葉ではなく形として提示する役割を担っています。

視覚要素の分解(形・色・構造)

Hamburg School of Ideasのシンボルマークは、具体的なモチーフを明示しない、非常に抽象度の高い形状で構成されています。しかし、その抽象性の中には、複数の読み取り可能性が巧妙に織り込まれています。

まず注目すべきなのは、この形が人の横顔を連想させる点です。完全に写実的ではないものの、輪郭の取り方によっては、思考に没頭する人物のプロフィールのようにも見えます。この解釈は、意図的に断定されてはいませんが、「考える主体」を暗示する視覚的ヒントとして機能しています。ロゴ自体が、思考する存在を象徴している可能性があるという点は、この組織の性質と極めて親和性が高いと言えるでしょう。

同時に、このシンボルは括弧記号、特に「}」のような形にも見えてきます。括弧は、文章や思考において補足や前提、文脈を示すために用いられる記号です。つまり、この形は「答え」ではなく、「文脈」や「囲い」を示唆する存在として読むこともできます。思考を完結させるのではなく、考えを包み込み、次の展開へと開いていく。その構造が、記号的な連想によって視覚化されています。

形状そのものは完全に閉じておらず、どこかに抜けや余白が残されています。この未完結性は、完成や正解を前提としない思想を象徴しています。アイデアとは固定された成果物ではなく、常に更新され、再解釈され続けるものだという前提が、形の構造に反映されているのです。

色使いにおいても、感情を強く刺激する要素は意図的に排されています。ニュートラルで抑制されたトーンが選ばれることで、見る側の注意は色の印象ではなく、形そのものや余白へと向けられます。これは、感覚的な高揚よりも、思考のための余地を優先した設計判断だと考えられます。

ロゴが伝えようとしている価値・思想

このロゴが一貫して伝えている価値は、「思考は未完成である」という認識です。Hamburg School of Ideasは、完成された知識や正解を提供する場ではなく、問いを立て続ける姿勢そのものを重視しています。その思想は、ロゴの中に明確に織り込まれています。

人の横顔にも、括弧にも見えるという曖昧さは、解釈を一つに固定しないための装置です。見る人によって意味が変わり得るという前提そのものが、この組織の価値観と一致しています。
また、ロゴが特定の分野や文化的象徴に強く依存していない点も重要です。これは、国籍や専門領域を越えて思考を共有する場であるという姿勢を示しており、ハンブルクという都市を拠点にしながらも、視野は常に開かれています。

このロゴは、何かを主張するための記号ではありません。むしろ、「考えることをやめない」という態度を静かに肯定する存在として機能しています。

なぜこの設計が機能しているのか

このロゴ設計が機能している最大の理由は、組織の実態と視覚表現が高度に一致している点にあります。もしこのロゴが、教育や創造性を直接的に示す分かりやすいモチーフを採用していたとしたら、Hamburg School of Ideasが掲げる「思考の学校」という立ち位置は、かえって弱まっていたでしょう。

抽象的であるがゆえに、このロゴは説明を必要とします。しかし、その「分かりにくさ」自体が、思考を促す仕掛けとして機能しています。ロゴを見た瞬間に意味が完結しないからこそ、人は立ち止まり、「これは何だろう」と考え始めます。その体験自体が、この組織の思想と直結しているのです。

さらに、特定のトレンドや表現様式に依存していないため、時間の経過によって価値が失われにくい点も見逃せません。変わるべきなのは中身であり、思考の枠組みは安易に変えるべきではない。その考え方が、ロゴ設計の段階から貫かれています。

ロゴ作成における示唆

Hamburg School of Ideasのロゴから得られる示唆は、「分かりやすさ」と「正しさ」は必ずしも一致しない、という点に集約されます。特に、自社が提供している価値が思想や姿勢、考え方そのものである場合、ロゴに過剰な説明性を持たせることは、かえって本質を損ないます。

ロゴ作成の実務では、「一目で伝わるか」「誰にでも理解できるか」が重要視されがちです。しかし、本当に問うべきなのは、「このロゴは、どのような思考態度を固定しているのか」という点です。
Hamburg School of Ideasのロゴは、答えを示すのではなく、問いを残すことで組織の本質を伝えています。

ロゴは結論ではなく、前提条件です。どのような姿勢で考え、どのような態度で世界と向き合うのか。その前提を視覚として固定できたとき、ロゴは単なるマークを超え、組織の思考装置として機能し始めます。このロゴは、そのことを静かに、しかし確実に示している好例だと言えるでしょう。のがアイデアの象徴であると同時に、教育哲学・価値観を伝えるメディアになっている点が、HSOIのブランド戦略の中核です。

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