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COLUMN
企業ロゴは単なるシンボルではなく、企業の存在意義や戦略を視覚化する媒体です。2025年10月に「北國フィナンシャルホールディングス」から「CCIグループ」へ社名変更を行った同社は、そのブランド再構築に伴い、新たなコーポレートロゴを制定しました。地域金融を基点に事業領域の拡大を図る同社にとって、ロゴはブランドステートメントそのものとも言えます。本稿では、CCIグループのロゴがどのようなブランド観を掲げ、どのようなデザイン表現を特徴としているのかを整理します。
CCIグループは、北陸を基盤に金融・コンサルティング・デジタルサービスなど多様な価値提供を行う持株会社です。2025年10月1日にコーポレートブランドを刷新し、それまでの「北國フィナンシャルホールディングス」から「CCIグループ」へと社名を変更しました。この決定は単なる社名変更ではなく、同社が地域金融機関の枠を超えて、より広域かつ多分野へ展開する戦略の始まりを象徴しています。従来の北國銀行ブランドは地域密着の伝統と安心感を担保しつつ、持株会社としての新たなブランドとしてCCIグループを位置付けることで、グループ全体のブランドポジショニングの再定義を図っています。
企業理念として掲げられているのは、「地域から世界をより良いものにする」という価値観です。コーポレートアイデンティティやブランド理念では、地域の歴史や文化を大切にしながら、コミュニケーション、コラボレーション、イノベーションを通じた未来創造を目指す姿勢が明確に示されています。これは抽象的な理念ではなく、グループが社会的存在としてどのような役割を担おうとしているのかを示す指針でもあります。
ロゴは、こうした価値や理念を一目で読み取れる視覚記号として成立させる役割を担っています。新ロゴは装飾的な刷新ではなく、ブランド戦略に不可欠な要素として設計されている点が特徴です。グループとしての価値観や方向性を視覚的に統合し、社内外に一貫したブランド認知を形成するための基盤として機能しています。
CCIグループのロゴは、企業のブランド観を前提に設計されている点に大きな特徴があります。ロゴデザインにおいて重要なのは、見た目の新しさよりも、何を伝えるための形なのかが明確であることです。その意味で、このロゴは視認性と意味性の両立を強く意識した構造を持っています。
まず、ロゴ名である「CCI」には、Communication、Collaboration、Innovationという三つの価値が込められています。これは単なる頭文字の組み合わせではなく、組織文化や行動指針そのものをブランド名として内包する設計です。名称と価値観が一致しているため、ロゴを見ること自体がブランドの中核に触れる体験となるよう意図されています。
造形面で注目すべきなのは、ロゴの中心に設けられた空間の扱いです。このスペースは単なる余白ではなく、地域を象徴する視覚的な核として位置付けられています。地域を起点に価値が生まれ、そこから世界へと広がっていくというブランドストーリーを、明示的なモチーフに頼らず、構造そのものによって表現している点が特徴です。
このような余白の設計は、ロゴを構成する線や形以上に、内側にある空間に意味を持たせる考え方に基づいています。ネガティブスペースを活用することで、情報過多になりがちなブランドメッセージを、視覚的に整理された状態で伝えることが可能になります。結果として、ロゴは主張しすぎることなく、見る側に解釈の余地を残した表現となっています。
金融やコンサルティング分野のロゴでは、堅牢さや信頼感を強調するために、直線的で重量感のあるデザインが選ばれることが多く見られます。その中でCCIグループのロゴは、形の強さではなく、構造の意味によってブランドを語る点で差別化されています。視覚的な派手さではなく、設計の思想そのものが個性として機能しているロゴと言えるでしょう。
このロゴが最も強く伝えようとしているのは、地域を起点とした価値創造と、その先にある未来への広がりです。中心に据えられた空間は、地域という存在を固定的なものとして捉えるのではなく、可能性の源泉として表現しています。これは、地域密着と事業拡張を同時に成立させようとするCCIグループの姿勢を象徴しています。
また、ロゴはグループ全体を束ねる統合ブランドとしての役割も担っています。北國銀行という既存の強いブランドを維持しながら、持株会社として新たな価値軸を提示するためには、明確なブランドの拠り所が必要です。CCIグループのロゴは、その拠点となる視覚的なランドマークとして機能し、グループ全体の方向性を共有するための共通言語となっています。
さらに、このロゴはブランド成長の起点としての役割も期待されています。ロゴは一度制定すれば終わりではなく、企業活動やコミュニケーションの中で繰り返し使われることで意味を蓄積していきます。視覚的な一貫性と明確な思想を備えたロゴは、顧客や取引先、社員にとってブランドを理解する手がかりとなり、長期的な信頼形成に寄与します。
CCIグループのロゴは、単なる視覚的刷新ではなく、ブランド戦略を実装するための装置として設計されています。名称に込められた価値、構造としての余白、ブランドストーリーとの整合性。これらが一体となることで、ロゴは識別記号を超えた存在となり、グループの未来像を静かに、しかし確実に伝える役割を果たしています。
※ロゴ画像引用元:https://www.ccig.co.jp/
※本記事はデザインの研究・考察を目的として公開しており、権利を侵害する意図はございません。
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