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COLUMN
企業ロゴのリニューアルは、単なる見た目の刷新ではありません。そこには、企業がどのような存在でありたいのか、社会とどう関わっていくのかという「ブランド観」が必ず反映されます。
共立メンテナンスが展開するホテルブランドを統合した「Dormy hotels & Resorts」のロゴも、その好例です。本記事では、このロゴがどのような思想のもとに設計され、どのような役割を担っているのかを、ブランディングとデザインの両面から読み解いていきます。
共立メンテナンスは、ビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾート施設を中心に、全国各地で多様な宿泊施設を展開してきました。長年にわたり培ってきた運営ノウハウと独自のサービス品質は高く評価されている一方で、ブランドが増えるにつれ、外部から見たときの全体像はやや見えにくくなっていた側面もあります。
こうした背景のもと誕生したのが、ホテル事業を横断的に束ねるブランド「Dormy hotels & Resorts」です。このブランド名は、既存の「ドーミーイン」に象徴される信頼や認知を土台としながら、ビジネスからリゾートまでを包含する上位概念として設計されています。
その中核を担うのが、新たに制作されたロゴです。
このロゴは、単に新ブランド名を可視化するためのマークではありません。共立メンテナンスが大切にしてきた「人と人との関係性」や「おもてなしの思想」を、視覚的に凝縮した象徴として位置づけられています。企業理念とブランド戦略を結びつける接点として、ロゴが重要な役割を果たしているのです。
Dormy hotels & Resorts のロゴでまず印象的なのは、日本の伝統文化である「水引」をモチーフにしている点です。水引は、祝い事や贈答の場面で用いられ、「ご縁を結ぶ」「関係をつなぐ」といった意味を持つ装飾です。この象徴性を、ホテルブランドのロゴに転用している点に、本デザインの明確な意図が見て取れます。
ロゴは、中央に小文字の「d」を据え、その周囲を三本の線が緩やかに取り囲む構成になっています。この「d」は、従来から親しまれてきた「ドーミーイン」の頭文字であり、既存ブランドとの連続性を示す重要な要素です。一方で、水引を思わせる線の表現によって、新たな統合ブランドとしての文脈も同時に示しています。
三本の線は、「お客様」「ホテル」「運営する私たち」という三者の関係性を象徴しています。単一の主体を強調するのではなく、それぞれが対等に結び合い、循環していく様子を表現している点が特徴です。これは、サービス業としてのホテルを、単なる施設提供ではなく「関係性の場」として捉える姿勢の表れと言えるでしょう。
また、形状は極力シンプルに抑えられており、装飾過多になっていません。国内外での展開を見据え、文化的背景を知らなくても直感的に受け入れられるバランスが意識されています。競合するホテルチェーンのロゴが、建築物や頭文字を直接的に表すケースが多い中で、関係性や思想を抽象化して表現している点は、明確な差別化要因となっています。
このロゴが最終的に伝えようとしているのは、「泊まる場所」ではなく「関係を育む場」としてのホテルのあり方です。水引というモチーフが示すのは、一度きりの接点ではなく、何度も結ばれ、続いていくご縁です。リピーターを大切にし、地域や人とのつながりを重視する共立メンテナンスの姿勢が、ロゴという最小単位のデザインにまで落とし込まれています。
また、既存の「d」を中心に据えた構造は、急激なイメージ転換ではなく、これまでの信頼資産を継承しながら進化する姿勢を示しています。これは、長年利用してきた顧客に対する安心感の提供でもあり、新たなブランドを浸透させる上で極めて合理的な判断です。
ブランディングの観点から見ると、このロゴは「統合」と「拡張」の両立を可能にしています。ビジネスホテル、リゾート、温泉宿といった異なる業態を一つの象徴のもとに束ねつつ、それぞれの個性を否定しない余白を残しているからです。結果として、ブランド全体の世界観が整理され、国内外のユーザーに対しても理解しやすい構造が生まれています。
Dormy hotels & Resorts のロゴは、派手さや奇抜さで記憶に残るタイプのデザインではありません。しかし、企業の思想とサービスの本質を正確に反映し、長期的なブランド価値の積み上げに寄与する設計になっています。ロゴを「装飾」ではなく「ブランドの中核装置」として捉えた好例として、今後の展開にも注目すべき存在と言えるでしょう。
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