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Electroluxのロゴはなぜ変わらないのか?世界的ブランドを支えるロゴ設計の思想

企業ロゴは、単なるマークや装飾ではありません。長い時間をかけて築かれてきた企業の思想や価値観を、最小限の形で社会に伝えるための「視覚的な設計物」です。世界的な家電メーカーであるエレクトロラックス(Electrolux)のロゴは、その代表例のひとつと言えるでしょう。一見すると極めてシンプルで、主張も控えめ。しかし、その背景には、100年以上続く企業活動を支えてきた明確な設計思想と、グローバルブランドとしての戦略が凝縮されています。本記事では、エレクトロラックスのロゴを手がかりに、「ロゴに隠された設計意図」とは何かを読み解いていきます。

生活を支える企業としての立ち位置と、ロゴの役割

エレクトロラックスは1919年にスウェーデンで創業し、現在では世界120以上の市場で家電製品を展開するグローバル企業です。同社が掲げるパーパスは「Shape living for the better(より良い暮らしをかたちづくる)」という言葉に集約されています。冷蔵庫や洗濯機、調理機器といった製品は、日常生活の中に深く入り込み、長期間にわたって使われ続ける存在です。だからこそ、エレクトロラックスのブランドには「派手さ」よりも「信頼」「安定」「普遍性」が強く求められてきました。

その役割を担うのがロゴです。エレクトロラックスのロゴは、商品を売るための記号というより、「この企業なら安心して生活を委ねられる」という無意識の判断を支えるための装置として機能しています。企業理念とロゴの関係は極めて密接で、暮らしの質を支えるインフラ企業としての姿勢が、そのままロゴの設計思想に反映されていると言えます。

シンボルマークに見る視覚設計の構造と差別化

エレクトロラックスのシンボルマークは、正方形の中に幾何学的な形状が組み合わされた、非常に抽象度の高いデザインです。このマークは1962年に制作され、現在まで大きく形を変えることなく使われ続けています。まず特徴的なのは、円と直線、そして正方形という基本図形のみで構成されている点です。ここには装飾的な要素や説明的なモチーフは一切存在しません。

正方形の外枠は、構造的な安定感や堅牢さを象徴します。一方で内部の円形や曲線は、人の生活や動線、循環といった有機的な要素を想起させます。無機質になりすぎず、かといって感情的にも寄りすぎない。その中間に設計されている点が、このロゴの最大の特徴です。また、作図レベルで見ても、線の太さや余白のバランスは極めて厳密で、拡大・縮小、印刷・デジタル表示のいずれでも破綻しない構造になっています。

競合となる家電ブランドのロゴには、稲妻や文字装飾、エンブレム調の表現を用いたものも少なくありません。その中でエレクトロラックスは、あえて「何も語らない」抽象性を選ぶことで、価格競争や流行から距離を取り、長期的なブランド価値の構築に成功しています。

ロゴが内包する価値と、ブランドへの影響

このロゴが伝えようとしているのは、「先進的」や「革新的」といった分かりやすいメッセージではありません。むしろ、「当たり前に使える」「長く使える」「生活の一部として違和感がない」といった、言語化されにくい価値です。ロゴが強く主張しないからこそ、製品やサービスそのものが評価される土壌が整います。

また、この抽象的なシンボルは、文化や言語を超えて機能する点でも優れています。アルファベットや特定の意味に依存しないため、どの国・地域でも同じ印象で受け取られやすい。これはグローバル展開を前提とする企業にとって、極めて重要な条件です。ロゴは広告のための装飾ではなく、ブランド体験を一貫させるための共通言語として設計されているのです。

なぜこのロゴ設計は機能し続けているのか

エレクトロラックスのロゴが長期間にわたり機能している理由は、時代ごとの流行や表現技法に依存していない点にあります。フラットデザインやミニマルデザインが注目される以前から、すでに完成度の高い抽象ロゴとして成立していたため、大きな改修を必要としませんでした。2010年代に行われたビジュアル・アイデンティティ刷新でも、ロゴそのものは維持され、周辺要素の整理にとどまっています。

結果として、ブランドの「継続性」が担保され、消費者側の認知が途切れることはありませんでした。これは短期的な話題性よりも、信頼の蓄積を重視した設計がもたらした成果と言えるでしょう。実際、家庭用からプロ向けまで幅広い分野で同一のシンボルが使われ続けていること自体が、このロゴの耐久性を証明しています。

ロゴ作成において学ぶべき設計の視点

エレクトロラックスのロゴから得られる最大の示唆は、「ロゴは説明しなくてよい」という点です。意味を詰め込みすぎず、使われ続ける環境を前提に設計すること。そのためには、見た目の好みや流行ではなく、「どんな役割を、どのくらいの時間、どの範囲で果たすのか」という設計視点が欠かせません。

実務においてロゴを作成する際も、「目立つかどうか」「おしゃれかどうか」だけで判断すると、長期的には必ず歪みが生じます。むしろ、違和感なく使われ続けること、他の情報と干渉しないこと、拡張しても破綻しないことこそが重要です。エレクトロラックスのロゴは、その好例として、ロゴ設計の本質を静かに教えてくれています。

ロゴとは、企業の思想を社会に実装するための設計物です。その視点を忘れないことが、結果として「強いロゴ」を生むことにつながるのです。

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