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COLUMN
ノルウェー発の世界的サーモン養殖企業であるSalMarは、業界内でも比較的早い段階から「企業ブランドとしてのロゴ」を強く意識した展開を行ってきた企業です。水産業というコモディティ化しやすい領域において、同社のロゴはどのようなブランド観に基づき、どのような設計思想で作られ、どのような役割を果たしているのでしょうか。本記事では、企業概要からロゴの造形、そしてブランディングへの影響までを一つのストーリーとして整理します。
SalMarは1991年創業のノルウェー企業で、養殖サーモンの生産・加工・販売を一貫して行うグローバル企業です。現在ではノルウェー、アイスランド、スコットランドなどで事業を展開し、世界50カ国以上に商品を供給しています。事業規模・供給エリアともに拡大を続ける同社にとって、ロゴは単なる社名表示ではなく、国境を越えて企業を一目で識別させる「共通言語」としての役割を担っています。
SalMarの企業姿勢の中核にあるのは、「Passion for Salmon」という明確な軸です。これは抽象的な理念ではなく、サーモンという主力商材と事業そのものへの集中を意味しています。そのため、ロゴにも環境配慮やテクノロジーといった複数のメッセージを詰め込むのではなく、あくまでサーモンと海を中心に据えたシンプルな構成が求められました。ロゴは企業の思想を説明するものではなく、事業の核を直感的に示す装置として位置づけられています。
SalMarのロゴは、円形のシンボルマークと欧文ロゴタイプで構成されています。シンボルは青と赤の2色を基調とした円の中に、白抜きでサーモンを想起させる抽象形が配置されています。この構成は、水産業界において比較的オーソドックスなモチーフを用いながらも、情報量を極端に抑えた点に特徴があります。
円形という形状は、海・地球・循環といった意味合いを自然に内包しつつ、国際市場での汎用性が高いフォーマットです。加えて、青と赤の強いコントラストは、養殖施設や加工場、パッケージ、デジタル媒体など、使用環境を問わず高い視認性を確保します。写真や映像が多用される水産業界では、ロゴが背景に埋もれないこと自体が重要な競争要素となります。
競合他社の多くが、リアルな魚の描写や複雑なエンブレム構成を採用しているのに対し、SalMarは意図的に抽象度を高めています。これにより、特定の市場や流行に依存しない造形となり、長期使用に耐えるロゴとして成立しています。装飾を削ぎ落とした作図は、ブランドの成熟度と経営規模を静かに示す役割も果たしています。
SalMarのロゴが伝えているのは、「高品質なサーモンを安定的に供給する、信頼できる企業」という一貫した価値です。ロゴ自体は多くを語りませんが、その分、企業活動や製品品質、サステナビリティ施策といった実態がロゴの意味を後から積み重ねていく構造になっています。これは、ロゴに過剰な意味を背負わせない設計だからこそ可能な運用です。
結果として、SalMarは「商品」ではなく「企業」として記憶されやすいブランドを構築しています。サーモンという汎用的な商材でありながら、「SalMarのサーモン」と主語付きで語られる状態を作れている点は、ロゴを軸としたブランド統合の成果といえます。また、ESGや技術革新といった新しい価値観が加わっても、ロゴを変更せずに対応できる柔軟性も備えています。
SalMarのロゴは、自己主張の強いデザインではありません。しかし、事業の成長スピードと市場拡大に耐え続けているという事実そのものが、ロゴ設計の正しさを証明しています。ブランドとは、語るものではなく、使い続けることで蓄積されるもの。その前提に忠実なロゴ運用こそが、SalMarのブランド戦略の本質です。
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