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富士急グループのロゴリニューアルに見る、ブランド観とデザイン設計の本質

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富士急グループは、2026年に創業100周年を迎えるにあたり、グループロゴのリニューアルを実施しました。本コラムでは、この新ロゴがどのようなブランド観に基づいて設計され、どのようなデザイン的特徴を持つのかを整理します。単なる見た目の刷新ではなく、企業の思想や将来像をどう可視化しているのか。ブランディングの観点から読み解いていきます。

歴史ある企業におけるロゴの役割とブランド観

富士急グループは1926年創業。鉄道事業を起点に、観光、レジャー、不動産、運輸など幅広い領域へと事業を拡張してきました。その根底にあるのは、富士山麓という地域資産を活かし、人の流れと体験価値を創出してきた企業としての歴史です。

こうした企業において、ロゴは単なる識別マークではありません。長年にわたり社会に蓄積されてきた信頼や記憶を背負い、同時に「これからどこへ向かう企業なのか」を示す旗印でもあります。特に100周年という節目では、過去の延長線上にあるロゴではなく、次の時代に向けたブランドの再定義が求められます。

今回のロゴリニューアルは、まさにその役割を担っています。新たに掲げられたタグライン「わくわくの最高峰へ」は、富士山という象徴的存在と、同社が提供してきた体験価値を重ね合わせたものです。感動や喜びを提供する企業であるという理念を、抽象的な言葉ではなく、誰もが直感的に理解できる表現へと落とし込んでいます。

ロゴはこのタグラインと一体となり、富士急グループのブランド観──地域とともに価値を創造し、人の心を動かす体験を提供する存在であること──を視覚的に支える基盤として機能しています。

富士山と水面を抽象化したロゴデザインの特徴

▲シンボルマークの成り立ち(引用:富士急行株式会社発表資料

新ロゴの最大の特徴は、富士山と富士五湖をモチーフにしながらも、写実的な表現に頼っていない点にあります。山の稜線と湖面に映る姿を抽象化し、シンプルな形状へと再構成することで、観光的なイラスト表現ではなく、企業シンボルとしての普遍性を獲得しています。

特に印象的なのが、水面に映る富士山の「揺らぎ」を取り入れている点です。左右対称で安定した山の形に対し、湖面側はわずかに変化を持たせています。これは自然現象の再現ではなく、「固定された完成形ではなく、常に変化し挑戦し続ける企業姿勢」を示唆する設計と読み取れます。

色彩には日本の伝統色である群青が採用されています。群青は、空や水、奥行きと広がりを想起させる色であり、富士山麓の自然環境とも親和性が高い。一方で、彩度や明度を抑えた設計により、観光業にありがちな軽さや派手さから距離を取り、企業ブランドとしての落ち着きと信頼感を担保しています。

競合する観光・鉄道系企業のロゴには、スピード感やダイナミズムを前面に押し出すものも多く見られますが、富士急グループのロゴはそれとは異なるアプローチを取っています。動きを誇張するのではなく、静けさと余白を残すことで、「体験の質」や「場の力」を想起させる設計です。これは、単なる移動手段や娯楽提供に留まらず、滞在そのものを価値とする同社の事業特性と一致しています。

ロゴが伝える価値とブランディングへの影響

このロゴが伝えようとしているのは、「楽しさ」や「非日常」だけではありません。富士急グループが長年培ってきた地域との関係性、自然への敬意、そして体験を通じて人の記憶に残る価値を提供するという思想が、静かに内包されています。

水面に映る富士山というモチーフは、見る角度や環境によって印象が変わります。それは、利用者一人ひとりの体験が異なること、そしてその多様な体験を受け止める器として企業が存在していることを象徴しているとも言えるでしょう。ロゴが一義的な意味を押し付けない設計になっている点は、長期的なブランディングにおいて重要です。

また、このロゴはグループ全体を束ねる共通言語としても機能します。鉄道、遊園地、宿泊施設、不動産といった異なる事業領域においても、「富士山麓で価値ある体験を提供する」という軸を視覚的に共有できる。これは、ブランドの一貫性を保ちながら、多角化を進めてきた企業にとって大きな意味を持ちます。

今後、このロゴが社内外に浸透することで期待されるのは、ブランド理解の深化です。利用者にとっては「富士急らしさ」を直感的に感じ取る手がかりとなり、社員にとっては自社が何を目指す企業なのかを再確認する拠り所となる。ロゴが単なる装飾ではなく、意思決定やコミュニケーションの基準として機能し始めたとき、このリニューアルは本当の意味で成功したと言えるでしょう。

富士急グループの新ロゴは、派手さや新奇性で注目を集めるタイプのデザインではありません。しかし、企業の歴史と未来を冷静に見据え、ブランドの本質を静かに可視化したロゴです。だからこそ、この先の10年、20年と使われ続ける中で、その価値がじわじわと効いてくる。そうした設計思想が感じられるロゴリニューアルだと言えます。

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