ロゴ制作のご相談

LINEで気軽に相談

ロゴ制作・ロゴデザインを依頼するならsynchlogo(シンクロゴ)

ロゴコラム

COLUMN

公共インフラは、なぜこの形を選んだのか?オランダ鉄道NSのロゴに学ぶ「機能するデザイン設計」

オランダを代表する鉄道事業者・Nederlandse Spoorwegen(NS)のロゴは、派手さや装飾性とは無縁です。しかし、このシンプルなシンボルマークは、公共交通ロゴの中でも極めて完成度が高い事例として評価されています。本記事では、NSのロゴを単なるデザインとして見るのではなく、「設計された視覚装置」として読み解き、その背後にある思想やブランド展開の特徴、そしてロゴ作成を行う実務者が学ぶべき示唆までを整理します。

企業概要とロゴの役割

Nederlandse Spoorwegen は、オランダの国有旅客鉄道事業者です。1938年に設立され、現在はオランダ国内の主要な鉄道輸送を担っています。日常的に多くの国民が利用する社会インフラであり、その存在は「選ばれるブランド」というより、「常にそこにある公共機能」に近い立ち位置にあります。

このような企業において、ロゴの役割は企業イメージを華やかに演出することではありません。むしろ、駅・車両・案内表示・アプリといったあらゆる接点で、利用者の行動を迷わせず、安心して移動できる環境を支えることが求められます。NSのロゴは、その役割を果たすための「視覚的な基盤」として設計されています。

視覚要素の分解(形・色・構造)

NSのシンボルマークは、左右対称の矢印状形態と、それを貫く一本の水平ラインで構成されています。一見すると抽象的な記号ですが、よく観察すると「N」と「S」を極限まで抽象化した幾何学構造として読むことができます。文字としては読めないものの、アルファベットの骨格やリズムだけを残し、形として再構築しているのです。

形状は非常に単純で、直線と角度のみで成立しています。このため、縮小しても潰れにくく、遠距離からでも識別性が高いという特性を持ちます。中央の水平ラインは、連続性や流れを示し、左右に開く形は双方向の移動やネットワークを想起させます。鉄道というシステムの本質を、形そのもので表現していると言えるでしょう。

色はブルー一色。公共性、信頼性、安定性を象徴する色であり、情報過多になりがちな駅空間でも他の要素と衝突しにくい選択です。装飾色を排し、意味と機能を最優先した配色は、ロゴを「使うための記号」として成立させています。

ロゴが伝えようとしている価値・思想

NSのロゴが伝えているのは、「かっこよさ」や「先進性」といった表層的なイメージではありません。中心にあるのは、移動の安心感、分かりやすさ、そして信頼です。利用者はロゴを意識して見ることは少ないものの、無意識のうちにその存在を頼りに行動しています。

このロゴは、ブランドを語らずとも、日常の利用体験を通じて価値を蓄積する設計になっています。言語に依存しない記号性により、国内外の利用者が同じ理解に到達できる点も重要です。NSはロゴを「意味を説明するもの」ではなく、「意味が自然に伝わる構造」として設計しています。

なぜこの設計が機能しているのか

このロゴ設計が機能している最大の理由は、ロゴ単体ではなく、運用まで含めて一体で設計されている点にあります。車両、駅サイン、案内表示、チケット、デジタルアプリまで、同一ルールで反復使用されることで、視覚的な一貫性が保たれています。

また、拡大・縮小・部分使用といった実運用を前提にした形状であるため、どの環境でも意味が劣化しません。ロゴは「覚えさせるもの」ではなく、「使われ続けるもの」として存在し、その結果として高い認知と信頼が形成されています。これは広告主導のブランディングとは対照的な、設計主導型のブランド構築です。

ロゴ作成における示唆

NSの事例から得られる最大の示唆は、ロゴは見た目の良さだけで評価すべきものではない、という点です。どこで、誰が、どのように使うのか。その使用環境を徹底的に想定し、意味と機能が破綻しない構造を作ることが重要です。

ロゴ作成においては、まず「伝えたい概念」を整理し、それを文字や装飾ではなく、構造に落とし込めているかを問い直す必要があります。NSのロゴは、意匠ではなく設計によって成立しています。実務においても、ロゴを視覚的な装置として捉え、長期的に使われ続ける前提で設計することが、結果として強いブランドを生み出す近道になるでしょう。


※ロゴ画像引用元:https://www.ns.nl/
※本記事はデザインの研究・考察を目的として公開しており、権利を侵害する意図はございません。

ロゴができるまでの過程はこちら

お問い合わせ CONTACT

ロゴ制作に関するご相談など
お気軽にお問い合わせください。

フォームからのお問い合わせ

ロゴ制作のご相談はこちら

お電話でのお問い合わせはこちら

AIによる自動応答/24時間受付

050-3177-4854