
ロゴ制作・ロゴデザインを依頼するならsynchlogo(シンクロゴ)
COLUMN
クライアントさまは、新たな学校教材・サービスを開発し、日本中の学校へと届ける事業を行われているEDUSHIP(エデュシップ)株式会社。日本の学校教育現場と向き合う企業として2020年10月に設立されました。
近年の日本の教育現場では、「子どもの自己肯定感の低下」が課題として浮き彫りになっていました。子ども達の平均的な学力自体は高いものの、生徒が同じことを同じタイミングでやるという画一的教育によって、1人1人の個性が尊重されづらくなっているというのが原因と考えられています。
その課題に対しサービスで未来を切り拓いていこうと「子どもたち一人一人が『新しい可能性!』を発見できる社会へ」のスローガンと共に、学校教材企業として90年の歴史を誇る教育同人社との”共創”により同社はスタート。そのコーポレートロゴのデザインをご依頼頂きました。
社名「EDUSHIP」は、“EDU”CATION(=教育)とSHIP(=船)、そして“SHIP”MENT(=発送)を組み合わせたもので、特に「SHIP」については「これからの時代に必要なあらゆる教育を届け、子どもたちが未来へ進んでいくための『船』のような存在でありたい」という想いが込められていました。
その想いを分かりやすく端的に表したロゴとするためには、「船」を連想させるモチーフを用いることは必須だろうとすぐに感じました。しかし、例えば船そのものをモチーフにするなどストレート過ぎる表現でデザインすると、同社が船舶や海運会社のように見え、誤解を招くことも懸念されました。
そこで「船」のモチーフだけを用いるのではなく、「教育」を「船」とうまく結びつけることで「EDUSHIPらしいロゴ」を作り上げていこう!という目標をクライアントさまと共有し、検討がスタートしました。
まずは「EDUSHIPらしいロゴ」とは何か、そのイメージがを探るべく「船」と「教育」を連想させるモチーフ(船・海・灯台/鉛筆・教科書など)を組み合わせたラフスケッチを描き、クライアントさまにご覧頂きました。
「船」が前面に出過ぎず、またどのモチーフも主張しすぎないことを意識し、「船」と「教育」が最適にミックスされる加減を探っていきましたが、ここで頂いたコメントは、
また他のご感想として、
というお話を頂きました。
これらのコメントを受け、相反するご意見がありつつも全てに応えられるデザインができないかトライし、第1案をご提案することにしました。
ご提案差し上げた第1案はこちら。
船と大樹のモチーフを組み合わせたロゴです。
上記のデザイン案と共に、EDUSHIPの理念や企業姿勢、ヴィジョンやミッションなどをロゴへどうストーリーや意味付けとして与えるかも検討し、下記のようにまとめたものを併せてご確認頂きました。
【デザインのポイント】
通常は複数案をご提案差し上げるのですが、ロゴへどのようなメッセージを込めていくか、より議論を深めていきたいと考え、今回はあえて1案だけ提案しました。
そしてその期待通り、以下のような熱のこもったコメントを頂くことができました。
まずは第一案の「3つのモチーフを重ねる」また「1つ1つの意味」(教材支え、船が進み、大樹が育つ)が非常に良いと思いました!
その上で、いくつかリクエストがございます。
<EDUSHIPのロゴで大切にしたいこと>
EDUSHIPは子供・先生との学校教育という意味で
「支える」「大丈夫」
そして
「発見」「未来を拓く」
という「温かさ」と「強さ」の世界観が組み込まれていることが重要だと感じています。
<第一案で気になる点>
そのように考えると今回頂いたロゴやフォントはどちらかというと「静」「シュール」というイメージを受けました。
「木」がもし、「花」や「花火」だったら一気にそのイメージが変わるのではないか?とも色々考え始めていますが、ロゴが少しガチャガチャしてしまうかもしれません。
「木」というものに「静的」な落ち着きがありそこに少し引っ張られているせいか、頂いた第一案は「木」+「本」という構成によって、少しだけ「読書的」な世界観や書店のような印象を感じました。
また、もう少しモチーフの抽象度が高くなっても良いので、温かさと強さを前面に出したものも見てみたいと思いました!
<その他に見てみたい案>
その他に、ラフ案の中にあった「教材が波紋になって進んでいくパターン」も一度是非見てみたいと思いました。
こちらも上記に記載したように、更に新しい可能性を発見するわくわく感や前に進むイメージも強めて頂けると幸いです!
整理しますと、
①第一案の木を別のモチーフに変えたもの
②第一案のモチーフの抽象度を高めたもの
③教材が波紋になって進んでいくパターン
を見てみたいです!
教材を扱われる会社ということで、何となく「書店」のような雰囲気を纏わせるのが良いのかなということを実はこの時意識していました。
クライアントさまに先入観を与えないよう、あえてそのことはお伝えしていなかったのですが、狙いをズバリ突かれてドキリとしたと共に、おかげでクライアントさまとしっかりイメージが共有できたという安心も得られた瞬間でした。
頂いたコメントをもとに、次にご提案差し上げた第ニ案の3案はこちらです。
結果、第一案でご提案した大樹のモチーフを花火のモチーフにマイナーチェンジした①案を、プロジェクトメンバー全員一致でご採用頂きました。
大樹→花火に変わったことで、「新しい可能性の発見」「未来へ前進」「感動する」という印象が強まったことや、教材(EDU)、船・発送(SHIP)、発見(花火)の意味の繋がりで、EDUSHIPのビジョンが体現されていて素晴らしいロゴだと感じました!
また全体的な雰囲気として、「学校」や「子ども」という世界観もあって良いですね!
ありがとうございます!
こういったコメントを頂くこともでき、ひとつの峠を越えたという良い空気がクライアントさまとの間で生まれました。
しかしここで気を抜かず、引き続き色と字体を数多くご提案し、詰めの作業を進めていきました。
色は35案、字体は8案。細かな調整と修正を繰り返し、ロゴは完成しました。
これだけ多くの時間をかけ、たくさんの案を作ることは一見無駄な部分が多いようにも見えますが、それは全く違います。
クライアントさまにベストなものを選んで頂けるようにする、という意味ももちろんありますが、クライアントさまとデザイナーのイメージのズレを最小にすることが本来の目的で、ここまでやったからこそお互い満足できるデザインが得られたのだと考えています。
「最後まで徹底したイメージ共有が、完成度を高める」
これを再確認できた、素晴らしいお仕事でした。
日本の教育現場が良い方向へ向かうことを願い、今後も応援しております。
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